米国人に「印象が良い」日本企業は? イメージランキングの結果が興味深い

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 米国人に「印象が良い」「評判がいい」企業とは(画像はイメージ)
米国人に「印象が良い」「評判がいい」企業とは(画像はイメージ)

最近、米国の大学に属する研究者と雑談をしていたら車を購入したという話になった。聞くと、ホンダの車を初めて購入したという。理由は「評判がいい」とのことで、少し前に発表された調査リポートのリンクを送ってきた。

リンク先を見ると、2016年の立ち上げから米メディア関係者の間で注目されるようになったニュースサイト「Axios(アクシオス)」と、米調査会社ハリス・ポール(HarrisPole)が共同で行った「2021 Axios Harris Poll 100(2021年 アクシオス・ハリス調査100)」の結果である。アクシオスは、政治専門紙の記者たちが立ち上げたメディアだ。

調査は「企業評価指数」というもので、4万3000人近くの米国人の回答から100の企業をリストアップし、印象の良い企業と悪い企業をランキングにしている。

ランキングには、米国でも知られる日本企業も含まれている。ホンダも含まれていたので、知人は筆者にリンクを送ってきたのである。ただよく見てみると、この調査自体が興味深いのだ。

今回はこの調査結果から、米国民の間で良い印象を受けているのはどんな企業なのか。また日本企業はどう見られているのか、探ってみたい。加えて、1位になった企業を見ると、企業イメージの向上に何が必要なのかを知るヒントにもなる。

最下位グループには意外な有名企業も

ランキングを紹介する前に、調査方法について見ていきたい。

調査では、対象の米国人に最も優れていると思う企業、イメージの良くない企業をそれぞれ2社選んでもらう。それによって集まった100社を調査対象にしている。

さらに、全ての調査参加者に、100社を大きく3つの項目で評価してもらっている。項目は、「キャラクター性」「信用性」「企業の軌跡」である。3項目はさらに細かいカテゴリーに分けられて評価される。キャラクター性は会社のカルチャー、倫理感、市民権(価値観の共有)の3項目からなり、信用性はそのまま信用度だけで評価される。企業の軌跡では、企業のビジョンや成長期待度、商品力に分けられている。こうした要素が、採点の対象になる。

ランキングはそこから導き出されているわけだが、100社中最下位は、トランプ・オーガナイゼーションである。言わずと知れた、ドナルド・トランプ前大統領の両親が立ち上げた企業で、ホテルやカジノなど不動産関係を中心に500近いビジネスを展開している。信用性、企業のビジョン、成長期待度の3項目で最下位になっており、大統領としての「汚名」がそのまま企業イメージになっているようだ。

それ以外にも、ランキングで評価の低い最下位グループには意外な有名企業が多い。トランプ・オーガナイゼーションを筆頭に、右派テレビ局である「FOXニュース」を抱えるFOX。同社も陰謀論めいた内容を報じることもあり、企業イメージが低下した。

ソーシャルメディアを運営しているフェイスブックやツイッター、Tiktok(ティックトック)もワースト10に含まれている。フェイスブックやツイッターは最近特にプラットフォームのコンテンツをどう扱っているかで賛否両論が出るなどネガティブな見方もオンラインなどで見受けられる。

両社とも、株主からユーザーエンゲージメントにからむ内部の不都合な情報を隠していたとして、集団訴訟を起こされるなどニュースになっている。そんなことから、少なくともお膝元である米国では、イメージが良くないのかもしれない。

さらにUberで知られるウーバー・テクノロジーズもワースト10に入っている。タクシー関連など、ドライバーに対する同社の扱いや、サービスの安全性など米国のみならずヨーロッパなどでもいろいろと問題が噴出している。Uber Eatsでも、米国ではレストランなどと独占契約をする行為が独占禁止法に抵触するといった議論も出ている。

イメージには企業トップの政治活動も影響

興味深いのは、91位に入っているマイ・ピローである。同社はピロー(枕)のメーカーで、日本ではほとんど知られていないが、米国では各地で長くテレビCMを流していたことから、知らない人はいないくらい有名な企業である。

同社は、創業者が熱狂的なトランプ支持者として知られている。20年の大統領選の後には「トランプ票が奪われた」「投票マシンがトランプ票を奪った」などと陰謀論を声高に訴えた。これに対し、投票集計機メーカーのドミニオン・ボーティング・システムズは、そうした主張を止めるよう要請をしたが、従わなかったために巨額の訴訟を起こされる事態になった。トップの政治活動が企業イメージを失墜させている例である。

一方、過去の結果よりもイメージを向上させている企業もある。例えば、ファイザー。言わずとも知れた新型コロナワクチンを提供しているメーカーで、イメージが向上したのは当然だといえる。そのほか、やはりワクチンを提供しているモデルナもイメージアップしている。

さらに初の宇宙旅行を実現している米宇宙開発企業スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(通称スペースX)は先日、民間人4人の宇宙旅行を成功させたばかりだが、企業としての印象は良いようだ。電気自動車メーカーのテスラを創業したイーロン・マスクが率いており、話題には事欠かない。イメージも良いということだろう。

そんな中、過去の同調査に入っていなかった企業で、イメージ向上のランキングに入った日本企業がある。自動車メーカーのスバルだ。

特にスバルは、ミレニアル世代(現在25~34歳)の支持が高く、ミレニアルの好イメージ企業の2位に入っている。全体でも、100点満点で7項目から79.2ポイントを稼いでおり、同調査の評価でも「Very Good」とされている。ミレニアルが気にする環境問題に積極的に取り組んでおり、「エコフレンドリー販売店」などを展開していることも評価の一因だろう。

トップに輝いたのは

ここで種明かしをすると、ランキングでトップを獲得したのは、米衣料品メーカーのパタゴニアだった。スコアは82.7ポイント。言うまでもなく、環境問題に敏感で、会社全体の収益の1%を環境団体に寄付し、環境や人権に配慮したエシカル・サプライチェーンも実践している。

人種差別など問題のある投稿を放置していたフェイスブックへのネット広告ボイコットに、パタゴニアはいち早く動いている。そうした環境や人に優しい印象が、消費者から好イメージを持たれている。

逆に言えば、パタゴニアのような活動をすれば、消費者へのイメージ向上ができるということでもある。

日本企業を見ると、実はスバル以上に高得点を獲得している企業がある。同じく自動車メーカーのホンダだ。

ホンダはパタゴニアに次いで全体の2位に付けている。スコアは81.6ポイント。米国でホンダは、アコードやシビックなど車のクオリティーも高い評価を受けてきた歴史がある。値段もそれほど高くないし、中古でも値段が落ちず、修理のパーツも豊富。そんな理由から人気は根強く、7項目で商品力がトップになっている。それ以外の項目でも平均してトップクラスにランクインしている。

ホンダやスバル以外にも、日本は自動車メーカーがランクインしている。トヨタは18位。残念ながら、自動車以外では、34位のソニー以外、日本企業は入っていない。

上位企業に共通するキーワードは「環境問題」

企業の成功の鍵となるのは、なんといってもイメージ戦略である。それにはメディア対策がかなり重要になる。98位に沈んでいるフェイスブックは、17年は66位、18年は51位、19年は94位、20年は97位と推移してきた。少しずつ順位を落としているが、最近もさらにメディアで叩かれまくっている。

例えば米ウォールストリート・ジャーナル紙は、知名度の高いユーザー約600万人に、投稿ルールに違反しても不問にする特別扱いをしていたと暴露し、iPhoneの仕様変化でフェイスブックの広告ターゲティング事業が脅かされているといった記事も出している。既に述べた通り人種差別への配慮も遅いと指摘されており、ここのところイメージがどんどん落ちているようだ。

こうした企業からは学べることもあるだろう。ぜひフェイスブックにはこれから名誉挽回をしてもらいたいところだが、同時に企業も反面教師として同社が批判されている部分を参考にしていくことが大事だ。ランキングを分析すること自体、有意義だろう。

ランキング上位の企業を見ると、やはり企業イメージ向上の鍵となるのは環境問題のようだ。日本もこれからそうなるのではないだろうか。過去を見る限り、米国のトレンドは少し遅れて日本にやってくる。注目しておいたほうが良さそうだ。

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