豪、原潜の戦略意義を重視 中国へ強い警戒

産経ニュース
16日、米国務省で記者会見する米国とオーストラリアの外務・防衛閣僚。左からオーストラリアのダットン国防相、ペイン外相、米国のブリンケン国務長官、オースティン国防長官=ワシントン(ロイター=共同)
16日、米国務省で記者会見する米国とオーストラリアの外務・防衛閣僚。左からオーストラリアのダットン国防相、ペイン外相、米国のブリンケン国務長官、オースティン国防長官=ワシントン(ロイター=共同)

【シンガポール=森浩】オーストラリアが米英との安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じて原子力潜水艦建造を決め、インド太平洋地域の安定に積極的に関与する姿勢を鮮明にした。原潜は長期間潜航でき、南シナ海を含む広範な海域で哨戒活動が可能となる。フランスとの潜水艦建造契約を破棄してまで原潜導入を目指す判断からは、中国の海洋進出への強い警戒がうかがえる。

「インド太平洋地域で何十年にもわたって享受してきた比較的穏やかな環境は過去のものとなった」。豪州のモリソン首相は16日の記者会見で原潜導入について、安全保障面での環境の変化を強調した。名指しはしないが念頭に置くのは明らかに中国だ。

中国は南シナ海の軍事拠点化のみならず、豪州が自らの裏庭と認識してきた南太平洋への進出も強める。キリバスでは滑走路や港湾の補修工事を実施。ソロモン諸島では、中国企業が軍港建設に適した入り江を持つ島の賃借契約を結んだ。その後、契約は破棄されたが、島嶼(とうしょ)国の軍事拠点化は豪州の大きな懸念だ。

豪州内で中国は「好戦的で高圧的」(地元紙オーストラリアン)との見方が急速に強まっており、その牽制(けんせい)のため必要性が増したのが原潜だ。従来のディーゼル潜水艦は給気のために海面に出る必要があるが、原潜は数カ月に及ぶ長距離潜航が可能だ。ディーゼルと比べて速度も高く、海上から位置を特定されにくい。

地元紙シドニー・モーニング・ヘラルドは原潜によって、「インド太平洋地域の広い範囲を長期間哨戒できる」と分析した。豪州は原潜導入に伴って、フランスと結んだディーゼル潜水艦12隻の建造契約を破棄して仏側の怒りを買ったが、モリソン氏は「(ディーゼル型では)私たちが必要とする仕事をできない」と断じている。

モリソン政権にはフランスの潜水艦計画への不満もあった。建造費は当初予定の500億豪ドル(約4兆円)から900億豪ドルに増加。部品製造の90%を豪州側が手掛けるという条件も縮小されていた。

原潜は建造費が900億豪ドルを上回る可能性が高く、配備もフランスとの計画より2年遅い2030年代後半になる見通し。原子力発電所も持たない豪州では原潜保有への反発も予想されるなど、導入までに曲折がある可能性は否めないが、モリソン政権は戦略的意義を重視した。

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