中国の不動産大手、中国恒大集団の巨額債務問題が世界の市場を揺らしている。香港や欧米株が急落したのを受けて、3連休明け21日の東京市場も朝から売り一色となり、日経平均株価は3万円の大台を割り込んだ。中国恒大は23日以降、社債償還の期日が相次ぐこともあり、市場関係者の警戒が続いている。
日経平均は午前9時3分現在、前週末終値比667円53銭安の2万9832円52銭で取引されている。
20日のニューヨーク市場でダウ工業株30種平均の下げ幅が一時、970ドルを超え、終値も614・41ドル安の3万3970・47ドルと3日続落だった。株式以外の相場も先行きへの警戒感が広がり、ニューヨーク原油先物相場や代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインも下落した。
この日は香港市場や欧州市場も軒並み下げた。世界株安の火種となったのが中国恒大だった。20日が期限の利払いを行わなかったほか、23日には8350万ドル(約91億円)の社債の利払い、29日には4750万ドル(約52億円)の社債の利払いが控える。30日以内に利払いを履行できなければ、デフォルト(債務不履行)となることから、資金繰りに関する投資家の懸念が急速に高まっている。
20日の中国恒大の株価は一時、約19%下げた。終値は10・24%安の2・28香港ドル(約32円)だった。巨額債務を抱え、資金繰りが行き詰まれば、下請け企業や取引銀行に経営不安が広がる恐れもある。
新政権への期待感から今月に入って3万円を回復していた東京市場も、朝方は「中国恒大ショック」の余波で売りが浴びせられた。
市場では中国恒大1社だけの問題なのか、中国の不動産市場全体に波及する問題なのかを見極める展開だが、東京市場は23日も休場となるため、身動きが取りづらい相場となりそうだ。