BOOK

デジタル化に無防備な日本、米中のエサに “周回遅れ”を強みに先を行く国の『失敗』に学ぶべき、今ならまだ間に合う 国際ジャーナリスト・堤未果さん『デジタルファシズム 日本の資産と主権が消える』

――中国は、そこを利用してアメリカを凌駕(りょうが)しようと狙っている

「中国は、軍事力でも基軸通貨でもアメリカにはかなわないけれど、仮想空間が〝戦場〟になるデジタル世界なら、アメリカを追い越してトップを取れるかもしれない。仮想空間には国際法も及ばないし、人権やプライバシーに縛られることもないからです。中国はそこをチャンスと見て、徹底して予算と人材をつぎ込んでいます」

――対して日本にはそんな戦略眼をもった政治家や官僚は見当たらない

「昔はいたのでしょうけど…今や親米派か親中派しかいない(苦笑)」

――では、どうすればいいでしょうか

「市民が覚醒して下から声を上げてゆくしかありません。真実の姿を知り、危機的な問題を、しっかりと把握することです。それを知ってもらいたくて本書を書きました。今ならまだ間に合います。日本のデジタル環境は〝周回遅れ〟と揶揄(やゆ)されますが、逆に、それを強みにすることもできるのです。先にやった国の『失敗』に学ぶことができますからね」

――キャッシュレス化を見直す動きも

「キャッシュレス化を進めても、その手数料は(システムを握る)米中の企業に流れるだけ。日本は災害大国ですから『現金』がいい。私も現金派ですよ」

――今回もそうだが、時宜を得たテーマ選びには定評がある。「次」は

「ずばり『食』、それに『土』ですね。いま、まさにドラスティック、ダイナミックに変わっている分野ですよ」

■『デジタルファシズム日本の資産と主権が消える』NHK出版新書税込968円

9月1日に発足したデジタル庁は首相直轄の機関として巨大な権限と予算を持つ。各省庁がバラバラに行っていた業務や自治体のサービス、決済機能などを「デジタル」によって一元化させ、コストもスピードも利便性も飛躍的に向上する…。ホントにそうか? 「GAFA」「BATH」と呼ばれる米中の巨大IT企業らは〝ユルユル〟な日本の法規制をかいくぐり、巧妙に大事な個人情報や資産を丸裸にしてしまうのだ。

■堤未果(つつみ・みか) 国際ジャーナリスト。1971年、東京都出身。50歳。米ニューヨーク市立大学国際関係論学科卒。国連や米野村証券などを経てジャーナリズムの世界へ。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞を受賞。08年『ルポ 貧困大国アメリカ』で中央公論新書大賞、日本エッセイストクラブ賞を受賞(09年)。他の主な著作に『政府は必ず嘘をつく』『日本が売られる』など。

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