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コロナと闘う保健所に密着、ドキュメンタリー映画10月公開 宮崎信恵監督「これは決して美談ではない」

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新型コロナウイルス対応をする東京・中野保健所に密着した映画「終わりの見えない闘い」スチール(C)ピース・クリエイト
新型コロナウイルス対応をする東京・中野保健所に密着した映画「終わりの見えない闘い」スチール(C)ピース・クリエイト

新型コロナ対応に追われる保健所に密着したドキュメンタリー映画「終わりの見えない闘い」が完成し、10月2日から東京都内で劇場公開される。製作陣は昨年6月から今年3月まで東京・中野保健所で異例の長期撮影を実施。患者の入院先を探して奔走する保健師の姿など、現場の様子を生々しく記録した。宮崎信恵監督(79)は「これは決して美談ではない」と訴える。

■昨年6月から今年3月まで異例の長期撮影■ 流行「第3波」のさなかの今年1月。中野保健所の幹部が「自宅療養者を死亡させないことを最優先に」と職員に呼びかけるシーンから、映画は始まる。全国で自宅療養者の死亡が相次ぐ「第5波」の今、8カ月前のこの言葉が悲痛なものとして響く。

「記録に残したいという責任感と、怖さを感じながら撮りました」。宮崎監督はこう明かす。昨年6月から今年3月にかけての撮影では宮崎監督、カメラマン、音声担当の3人に絞って現場入り。職員の状況や感情などに配慮しながら、監督が単独で小型カメラを回すこともあった。

電話口で「感染が職場に知られることが怖い」と訴える患者の話を聞く。東京都の入院調整が間に合わず独自のルートで患者の入院先を探す。患者の健康観察を行い、自宅前にパルスオキシメーターを届ける-。職員のインタビューも交え、一日100~200件の電話に応対する状況に「これからどうなるのか不安」と涙をこぼす女性保健師の姿もあった。

ドキュメンタリー映画「終わりの見えない闘い」を手掛けた宮崎信恵監督
ドキュメンタリー映画「終わりの見えない闘い」を手掛けた宮崎信恵監督

■過労死ライン超える時間外労働■ 過労死ラインとされる月80時間以上、中には100時間を超える時間外労働を強いられる現状なども紹介。約150時間の映像を約100分に編集し、8月27日に東京都内で完成披露上映会を開いた。宮崎監督によると、観賞した職員から「夢物語に見える」と言われた。宮崎監督は「そのくらい、今は保健所がさらにひっ迫しているということ」と神妙な表情を浮かべた。

10月2日から東京・ポレポレ東中野で公開。全国の劇場からも上映の問い合わせが相次いでいる。宮崎監督は「保健所の皆さんが少しでも報われたらという思いはあるが、決してきれいごとではないし、美談にしてほしくない。少しでも多くの人に見てもらえたら」と話している。(小山理絵)

★製作費はクラウドファンディングと補助金で 宮崎監督は介護福祉や差別問題などに焦点を当てたドキュメンタリーや教育映画を手掛け、キャリアは約50年。最初の緊急事態宣言が発令されていた昨年5月、現役保健師の「仕事を記録しておきたい」との思いを関係者を通じて聞き、映像化を決意した。「報道で医療機関が取り上げられることは多いが、保健所内部の報道映像はほとんどないはず」と監督。製作費用は今年2月から実施したクラウドファンディングで集まった500万円と、文化庁からの補助金でまかなった。


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