安全保障最前線

米軍アフガン撤退は“歴史的な英断”だ トランプ前米大統領の戦略に沿った決断…米国の国力の低下を避けるためにも不可避

 アフガンからの撤退は、歴代米大統領の課題だった。バラク・オバマ元大統領は、国際テロ組織「アルカーイダ」の指導者、オサマ・ビン・ラディンを殺害した時点(2011年5月)で米軍を撤退させるべきだった。

 トランプ氏は、アフガン撤退のためにタリバンと協議し、今年4月末での撤退を公表したことを忘れてはいけない。

 第3に、米国の相対的な国力は20年にわたる対テロ戦争により低下した。米ブラウン大学の試算によると、この20年間の戦費は2兆2610億ドル(約250兆円)以上で、米軍兵士の死者数は2300人以上であった。米国の払った大きな犠牲に見合うリターンはなかった。

 米国が泥沼のイラクやアフガンの戦場で苦しんでいる間に、中国は目覚ましい経済成長と人民解放軍の増強・現代化を達成し、米国と覇権争いをする大国になってしまった。米国の国力の低下を避けるためにも、早期の撤退は不可避であった。

 ■渡部悦和(わたなべ よしかず) 元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。1955年、愛媛県生まれ。78年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。13年退職。著書に『自衛隊は中国人民解放軍に敗北する!?』(扶桑社新書)、『中国人民解放軍の全貌』(扶桑社新書)など。

zakzak

  1. 【大韓航空機爆破30年】実行犯の金賢姫元工作員インタビュー 「めぐみさんは金正日一家の秘密を知ってしまった」

  2. 中国に「大変失望した」 WHOテドロス事務局長が表明

  3. MEGA地震予測「いま最も危ない」3ゾーンはここだ! 村井氏「震度6程度が1~2月に発生する可能性」

  4. 【劇場型半島】大韓航空機爆破犯の金賢姫元工作員はなぜ「横田めぐみさんは生きている」と確信しているのか

  5. “異常判断”連発の韓国司法 いわゆる「元徴用工訴訟」で国際ルール無視…文大統領が恐れる日本の報復 松木氏「甘えた判断は世界に恥をさらす」