ワクチン「ブースター」世界の流れに日本も追随 デルタ株猛威、欧米で導入加速

産経ニュース

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種「ブースター」が国内で実施される見通しになった。免疫の強化を求めて欧米で導入が進むなど世界的な流れになっており、日本も今後の感染流行の抑制に向けて追随した形だ。専門家は安全性の検証の必要性を強調した上で「接種が早かった医療従事者が感染をすると治療に当たれなくなる。希望者の2回接種が完了した後、年末年始以降が一つの目安になる」との見方を示した。

各国が3回目に乗り出した背景には、感染力が強い変異株「デルタ株」による感染急拡大がある。いち早く開始したのは、世界有数の速さで接種を進めたイスラエルだ。8月1日、2回目から5カ月が経過した60歳以上で接種を本格化。その後は、対象を順次引き下げて12歳以上に拡大した。

感染や重症化のリスクを考慮する国も多い。米国では17日、米食品医薬品局(FDA)の委員会が65歳以上と重症化リスクの高い人への推奨に合意し、医療従事者にも必要とした。英国は50歳以上や医療従事者、健康リスクのある人に近く開始する。イタリアでは免疫力の低い人から始め、高齢者や医療従事者に拡大する方針。フランスやドイツは既に高リスク者への追加接種に着手した。

3回目接種については、ワクチンによって体内に作られ感染を防ぐ中和抗体の量が大幅に増えるというデータが示されている。米ファイザーは7月下旬、3回目の接種によりデルタ株への中和抗体が若年層で5倍以上、高齢者層で11倍以上になると発表した。

抗体量は時間経過に伴う減少が指摘されるが、免疫や予防効果がどれほど弱まるかは明らかになっていない。国立感染症研究所の資料によると、海外の研究でファイザー製の感染予防効果は2回接種後7日~2カ月で96%だったのに対し、6カ月後で91%、米モデルナ製でも6カ月後で93%との報告もある。

このため、3回目の必要性について意見は割れており、世界保健機関(WHO)やFDAの専門家チームは13日、英医学誌「ランセット」で「現時点で一般の人向けの実施には十分な科学的根拠がない」とする見解を示した。接種が進んでいない発展途上国を優先すべきだとの声もある。

日本国内では約53%が2回接種を終えた。2月中旬に接種が始まった医療従事者では3月に2回目を済ませた人もおり、希望者の2回接種が完了する11月ごろには8カ月が経過する。今後、海外と同様に2回接種後のブレークスルー感染が目立つ恐れもあるが、イスラエルの状況などからワクチンの重症化予防効果は維持されるとの見方が強い。

東京医科大の濱田篤郎特任教授(渡航医学)は「しばらくは定期的な接種が必要になる可能性が高い。追加接種での副反応など安全性の検証は不可欠だ。医療従事者が感染すると治療に当たれず、感染拡大時の対応に支障が出る。2回接種が一段落する年末年始以降であれば3回目の実施も進めやすいだろう」との見方を示した。

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