桂春蝶の蝶々発止。

まさかのコロナ感染、民間病院入院で回復 最前線で働く方々の献身性に感謝

入院中の桂春蝶氏
入院中の桂春蝶氏

 「まさか自分が…」

 そう思っていたのですが、私なんと、新型コロナウイルスに感染してしまいました。熱が出て咳(せき)が止まらなくなって、「これは、もしかして」と思って病院に。PCR検査やCTスキャンなどを受けて、結果は陽性でした。

 その時、先生は「これはかなりひどい肺炎ですね…非常に危険なレベルですよ…。肺が真っ白で、酸素飽和度もかなり低い。もしよかったら、『入院』していかれます?」と言われました。

 そこは有名なキリスト教系の民間病院でした。私の認識では、コロナ対応といえば、国立をはじめとする公立病院だけと思っていました。ところが、その病院は入院させてくれるというではありませんか。

 私は「民間病院なのに、コロナ患者を入院させる用意があるんですね?」と聞くと、先生は「広くアピールはしていませんが、私たちの母体はプロテスタントでして、『すべての人たちに愛を持って支える医療を目指す』という基本精神があるんです。コロナの患者さんも、独自の考えで受け入れているんですよ」と言われた。

 こういう時って、涙の一つも流して、「ううっ…、なんて深い慈愛なんですか…お世話になります、アーメン」とか言うのが常人ですよね。

 でも、私は思わず、「なるほど、この病院には『隠れキリシタン病棟』があるんですね?」と言っちゃった(笑)

 とても粋な先生で、お腹を抱えて笑ってくださいました。

 さあそこから、その隠れキリシタン病棟に搬送されたのですが、これがビックリする移動でした。ちなみに、コロナの診察や検査の多くは、病院の外で行われました。入院と確定してから院内に入るのですが、搬送用の車椅子は、何重もビニールに覆われていて、進み出すと前にいる2人が周囲に目を配りまくっているんです。

 あたかも名作映画「羊たちの沈黙」で、ハンニバル・レクター博士が護送されるときくらいのインパクトがありましたよ。それくらい、コロナ患者を院内に入れる瞬間は、ピリピリしているんですね。

 入院後は、部屋からは一歩も出られない「完全隔離」でした。もちろん、外部からの差し入れもNGです。ただ、さまざまな治療を施してくださいました。いわゆる「カクテル療法」ですよね。肺の酸素飽和度もすぐに改善され、みるみる回復しました。

 入院中に思ったのは、コロナの最前線で働く方々の献身性です。これには、毎日手を合わせたくなりました。感謝の気持ちでいっぱいです。

 ところで、私の場合、一体どうして感染したのか分からない。今や、どこで感染してもおかしくない新型コロナです。皆さんもぜひ、手洗いやうがいなどを徹底して、毎日健康にお過ごしになってくださいね。

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

zakzak


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