安全保障最前線

国家建設も国防も外国依存は亡国の道、日本も自助努力で国力改善を 総裁選で対中抑止策を語れ

共同訓練する米空母「ロナルド・レーガン」(左端)と、同「ニミッツ」(その右上)、同「セオドア・ルーズベルト」(手前右)、海自護衛艦「いせ」(中央)など(海上自衛隊提供)
共同訓練する米空母「ロナルド・レーガン」(左端)と、同「ニミッツ」(その右上)、同「セオドア・ルーズベルト」(手前右)、海自護衛艦「いせ」(中央)など(海上自衛隊提供)

 自民党総裁選が盛り上がるなか、総裁候補にはぜひ、「日本の安全保障政策」を熱く語ってほしい。今回の集中連載は、わが日本が直面している厳しい現状を深掘りしたい。

 ジョー・バイデン米大統領の対外政策の特徴は、米国の「グローバル・リーダーシップ(世界の警察官)」を強調するのではなく、国際協調主義にのっとり、関係各国の「自助」を促すことにある。米国のみによる関与を避け、関係国に任せる傾向が随所にみられる。

 また、米国の対テロ戦争20年間の重要な教訓の1つは、「米国が他国を米国流の民主主義国家にしようとしても、それは不可能であり、その国の国民の反発を買うだけだという事実」だ。

 そして、米国が国家再建を支援したイラクやアフガニスタンの腐敗や脆弱(ぜいじゃく)さは、「国家再建において、米国がいかに多くの軍隊・資金を投入したとしても、当事国の責任感や自助努力がなければ全てが無駄に終わる」ということだ。

 米国のリーダーシップの欠如を批判する前に、リスクに直面している世界各国が自らの責務を果たすべきである。これはアフガンやイラクだけの問題ではない。中国の強圧を受けている台湾、北朝鮮の核・ミサイルなどの脅威を受ける韓国も同様である。

 当然ながら、日本も例外ではなく、日本の責任が問われている。

 わが国は名誉ある国家として生き残るべきだ。そのためには、アジア地域における日本を中心とする「バランス・オブ・パワー(勢力均衡)」を、日本にとって望ましい状況にすべきである。その主対象は覇権的に台頭する中国である。

 当然ながら、わが国の自助努力により国力を改善しなければいけない。国力の要素である、「経済成長」「防衛力増強」「外交力の強化」「科学技術力の強化」などに真剣に取り組まなければならない。特に自衛隊は日本防衛、特に南西防衛態勢を確立しなければいけない。

 そして、共助としての日米同盟を堅持し、中国のアジアにおける覇権確立を抑止することが不可欠である。同盟国・日本としては、「インド太平洋地域こそが米国にとってバイタルな(=国家生命維持に必要不可欠な)地域であり、覇権主義的台頭をする中国を抑止するのが米国の最も重要な使命である」という主張をし続けることである。

 この論理は、米国の伝統的な対外政策の本質である「米国を脅かす地域覇権大国の台頭を許さない」にも一致する。「米国は世界の全ての正面に対処せよ」などと決して言ってはいけない。米国は中国にこそ対処すべきであると主張し続けることが重要である。

 そして、対中抑止の輪を、オーストラリアや、インド、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国、台湾などに拡大することがより効果的な対中抑止策となろう。

 ■渡部悦和(わたなべ よしかず) 元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。1955年、愛媛県生まれ。78年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。13年退職。著書に『自衛隊は中国人民解放軍に敗北する!?』(扶桑社新書)、『中国人民解放軍の全貌』(扶桑社新書)など。

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