白神山地のふもとでテレワーク×農業体験 秋田県が新事業

産経ニュース
秋田県八峰町から望む世界遺産、白神山地
秋田県八峰町から望む世界遺産、白神山地

世界自然遺産、白神山地のふもとでテレワークと農作業の「複業」を体験してもらおうと、秋田県八峰(はっぽう)町観光協会が参加者の募集を始めた。新型コロナウイルス感染拡大により、都市部よりも「低密度」な農村への関心が高まる中、自分の仕事を農村へ持ち込んで、農作業も体験してもらう試みだ。交通費5万円までと2~3週間の素泊まりの宿泊費を県が負担。当面の対象は県内在住者だが、感染の収束状況によって全国へ広げたいという。

八峰町は、秋田県の北西端、日本海に面した人口6700人の町。青森、秋田両県にまたがる白神山地の秋田側の玄関口でもある。

今回の事業は、県が9月から始めた「あきた田園ライフ調査事業」。背景には人口減少時代を迎え、農山漁村での深刻な担い手不足がある。一方で、移住に関心を持つ都市住民にとっては移住先での仕事の確保が課題。そこで農林水産省などは、移住者らが農業を含む複数の仕事をする「半農半X(エックス)」「マルチワーク(複業)」といった多様な働き方への支援を始めている。

県農山村振興課の浅野旬一副主幹(45)は「これまでの移住支援策は、移住先でゼロから新しい仕事を見つけるか、ワーケーションなど自分の仕事を持ち込むかだった」と指摘。「今回は、自分の仕事を持ち込みながら、副収入も得られる。『農村でのダブルワーク』という試みです」と意気込む。

対象者は、テレワークができる事務系の会社員をはじめ、パソコンがあれば仕事ができるウェブデザイナー、フリーのライターや編集者、写真家、芸術家、ユーチューバーらを想定。農家民宿に滞在しながら、観光協会が紹介する1次産業の仕事に従事する。

当面は地元の特産、ネギの出荷作業やネギ畑の草取り(いずれも時給850円)で、冬場はハタハタの水揚げ後の作業もあるという。

観光協会の事務局長で、自身も移住者の板谷大樹さん(40)は「Wi-Fiの飛んでいる民宿も紹介できる。自然豊かな場所で自分の仕事を追求しながら、農作業を通じて白神山地の恵みを実感してもらえれば」と話す。

詳しくは八峰町観光協会ホームページ。

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