ワクチン接種で「集団免疫」見えてきたか 「人流抑制一辺倒では永遠に元の生活に戻ることはできない」村中璃子氏が指摘

ワクチン浸透に貢献している自衛隊の大規模接種センター
ワクチン浸透に貢献している自衛隊の大規模接種センター

 東京都は15日、新型コロナウイルスの新規感染者が1052人だったと発表、24日連続で前週の同じ曜日を下回った。このところの激減の理由について、多くの専門家がはっきりとした見解を示せていないが、「緊急事態宣言の成果よりもワクチンの効果を積極的に評価すべきだ」と強調するのは独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員で医師の村中璃子氏だ。人口の約52%が2回接種を終え、「ワクチンによる集団免疫が見え始めている」と指摘する。

 集団免疫とは、ワクチン接種や感染により抗体を持つ人の割合が増えることにより、流行の爆発を回避できるようになる状態を指す。

 村中氏は「60~70%のワクチン接種率で初めて集団免疫が成立し、感染が沈静化すると思われがちだが、集団免疫の効果は30%程度から『感染者や重症者が増えにくい』などといった形で実感され始めるのが普通だ。厳密には、マスクや行動制限がなくても1人が何人に感染させるかの指標である実効再生産数が1以下になることが『集団免疫の確立』の定義だが、日本ではこの点が逆説的に捉えられている」と解説する。

 2回接種率が人口の半数を超えた今でも、デルタ株の蔓延(まんえん)で接種していても感染する「ブレークスルー感染」を懸念するなど、「ワクチン頼み」は批判されがちだ。政府分科会の尾身茂会長も「ワクチンはかなり有効だが、何でも自由になるということはあり得ない」と述べている。

 こうした状況は「接種控えを助長しかねない」と懸念する村中氏。政府や専門家のメッセージの出し方も日本と海外では大きな差があるという。

 「日本では、接種率が上がっても集団免疫はできないので元の生活はできないといわれるが、欧米では逆に、元の生活に戻るためには1人でも多くが接種し、集団免疫を成立させることが必須だとアナウンスしている」という。

 北欧のデンマークでは今月6日、新型コロナに関連した行動制限を全面的に撤廃した。当時の接種率は72%(医療関係者99%以上、50歳以上は95%)で、接種対象者であっても若年層では12~15歳では基礎疾患のある人以外、推奨はされていない。「強力な集団免疫が期待できる現状では、若年層のコロナは『普通のかぜ』であるとして、感染をある程度許容していくことも呼びかけられている」と村中氏。

 国内では19都道府県で緊急事態宣言が今月末まで延長されているが、村中氏は「人流抑制一辺倒では永遠に元の生活に戻ることはできない」と訴える。「国はリーダーシップを取り、世代別の接種率など具体的な数値目標に沿った緩和内容を提示していくべきだ」

zakzak


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