【本当は怖い「むくみ」の原因と対策】飲酒によるものは一過性だが…続くむくみは「肝硬変」の疑い 甲状腺のホルモン異常の可能性も - イザ!

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本当は怖い「むくみ」の原因と対策

飲酒によるものは一過性だが…続くむくみは「肝硬変」の疑い 甲状腺のホルモン異常の可能性も

菅野義彦氏
菅野義彦氏

 コロナ禍でストレスがたまると、つい飲み過ぎてしまうことがある。飲み過ぎた翌日、顔や手足などにむくみが生じるのは珍しくはない。だが、病的なむくみも潜むという。今回は飲酒とむくみについて考えたい。

 「飲酒そのものとは、むくみは直接の関係はありません。が、お酒のおつまみは、ほとんど塩のかたまりといっていいほど食塩が多く使われています。食塩は身体の中で水と結合するので、アルコールの利尿作用を差し引いても、排せつし切れない食塩が身体にたまることで、むくみの原因になります」

 こう説明するのは、東京医科大学病院腎臓内科主任教授の菅野義彦副院長。さまざまなむくみの診断・治療を行っている。

 飲み過ぎによるむくみは、体内にたまった食塩が徐々に体から排泄されるため、時間の経過とともに解消される。つまり、一過性のむくみだ。しかし、多量飲酒を連日のように続けていると、「戻らないむくみ」が生じるリスクが高まるという。

 「飲酒が続いて肝臓の機能が低下すると、別のメカニズムでむくみが発生します。多量飲酒は当然のことながら肝機能にダメージを与えます。肝機能が低下していると、アルブミン(タンパク質の成分)の合成ができなくなり、血中のアルブミン濃度が低下します。これを改善するのは難しいので、むくみが続くことになります」

 アルブミンは、血管内の水分調整の役割を担う。アルブミンが減少すると、血管の外の水分を血管内に取り込むことができなくなり、血管内の水分量が減ってしまう。余分な水分が排せつされることなく、血管外の細胞と細胞の間にあふれるため、むくみが生じる。

 「血液のアルブミン濃度が異常に低下する病態を『低アルブミン血症』といいます。アルコール性肝炎で肝臓の炎症を起こしている状態から、肝機能が著しく低下する肝硬変へ移行すると、低アルブミン血症を起こします」

 単なる飲み過ぎによるむくみは翌日もしくは翌々日に治るが、肝硬変のむくみは低アルブミン血症が改善しないため、翌日以降もずっと続くことになる。治らないむくみには、肝臓異常が原因の可能性もあるのだ。

 「肝機能以外に、甲状腺のホルモン異常でも水分調節は難しくなります。また、心不全で心臓のポンプ機能が著しく低下すると、血流が滞って水分調節機能も破たんし、むくみになるのです。むくみが起こる仕組み(別項)とそのサインを知って、身体の危険信号を見逃さないようにしましょう」

 むくみはちょっとした生活習慣でも起こりやすい。酒の肴に限らず、「食生活の食塩のとり過ぎと、むくみ」についてさらに次回紹介する。 (取材・安達純子)

 ■菅野義彦(かんの・よしひこ) 東京医科大学病院副院長、腎臓内科学分野主任教授。1991年慶應義塾大学医学部卒。同大学院医学研究科、米国留学、埼玉社会保険病院腎センター、埼玉医科大学腎臓内科、慶應義塾大学医学部血液浄化・透析センターを経て、2013年東京医科大学病院腎臓内科主任教授に就任し、現在に至る。

 【むくみが起こる仕組み】 むくみは、血管の外の細胞と細胞の間に余分な水分がたまることで起こる。多量の水分をとり、排せつできないと当然むくむ。一方、腎機能や肝機能が低下すると血液中のアルブミン(タンパク質の成分)が減少し、水分調節に支障が生じることも原因になる。また、心臓のポンプ機能低下や甲状腺のホルモン低下でも水分調節が上手くいかなくなって全身にむくみが生じる。

zakzak

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