【食と健康 ホントの話】「徒歩で生活できる」地域の女性の肥満は11・0% 「生活に車が必要」な場合の半分 - イザ!

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食と健康 ホントの話

「徒歩で生活できる」地域の女性の肥満は11・0% 「生活に車が必要」な場合の半分

関根道和・富山大教授
関根道和・富山大教授

富山県は「平均BMIが高い都道府県ランキング」(2019年アンファー株式会社発表)で最下位になるなど、健康的な県というイメージだ。天然のいけすと呼ばれる富山湾を有し、総務省の家計調査から導き出した魚介類消費量ランキングでは常に上位、糖尿病の有病率も下位だ。

ところがそんなイメージに反して、メタボリックシンドロームの有病率はなんと上位だという。富山大学附属病院・糖尿病センターはこの状態を「とやまパラドックス」と呼び、注意をうながしている。

その大きな原因の1つと考えられているのが、自動車交通の依存度が高いこと。この状態を是正していこうと、富山市はコンパクトシティ構想を打ち出し、公共交通機関を整備するなど、真に健康的な都市を目指している。

その一環として、富山大学地域連携推進機構地域医療保健支援部門は、富山県国民健康保険特定健康診査を2016年に受診した富山市内居住の人のうち、分析に必要なデータが完全であった3454人(男性1612人、女性 1842人、平均年齢 65・7歳)を分析。そこから「徒歩で生活できる地域に住む人に肥満は少ない」ということがわかった。

富山大学学術研究部医学系の関根道和教授=顔写真=らが分析を担当し、『WaikScore』という、徒歩で生活できるかどうかを数値で表すサービスを使って、各データとの関係を分析した。入力した地域がどの程度徒歩で生活できるかを、0~100に点数化して評価する。0~49は「生活に車が必要である」、50~69は「ある程度徒歩で生活できる」、70~89は「かなり徒歩で生活できる」、90~100は「ほとんど徒歩で生活できる」と判断。

コンパクトシティを目指している富山市。7市町村の合併により2005(平成17)年に新しく誕生し、公共交通機関の使い勝手が良くなっているものの、やはり旧市内が中心となっている。

分析の結果、女性では、「ほとんど徒歩で生活できる」地域に住む人の肥満の割合は11・0%だった。それに対して、徒歩で生活しにくい地域になるほど肥満の割合が増加し、「生活に車が必要」な地域に住む人の肥満の割合は23・1%に。

男性では、女性ほど強い関係は認められなかったが、「ほとんど徒歩で生活できる」地域に住む人の肥満の割合が25・8%であったのに対して、「生活に車が必要」な地域に住む人の肥満の割合は27・0%と、やはり増える傾向にあることがわかった。

関根教授は、「徒歩で生活できる地域は車の依存度が低く、徒歩や自転車での移動が多くなることから運動する機会が多くなり、結果的に肥満が少なくなるなどの理由が考えられます。横断研究としての限界はあるものの、地域づくりが健康づくりにも有用である可能性をデータで示した貴重な研究と考えています」と話す。

研究結果の詳細は、8月13日に英医学雑誌「Journal of Public Health」に掲載。コロナ渦で運動不足による弊害が言われているが、引っ越しを検討している人は一つの目安にするといいだろう。

 (医療ジャーナリスト 石井悦子)

zakzak

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