【週末、山へ行こう】赤い花火のような曼珠沙華 日和田山(埼玉県) 標高305メートル - イザ!

メインコンテンツ

週末、山へ行こう

赤い花火のような曼珠沙華 日和田山(埼玉県) 標高305メートル

大輪の花火を思わせる曼珠沙華の花
大輪の花火を思わせる曼珠沙華の花

 地元小学校の遠足などでも歩かれている、奥武蔵の愛され山のひとつ、日和田(ひわだ)山。

 この山に初めて訪れたのはもう10年以上前。山友達に連れてきてもらって初めてクライミングをした。日和田山の山頂直下、南側斜面にクライミングの岩場があるのだ。難易度の低いルートもあり、初心者向けのクライミング講習会にもよく使われている。友達に教えてもらいながら岩を登り、岩のてっぺんから見下ろした町並みと周りの山々の景色が忘れられない。

 その後、拙著『東京近郊ゆる登山』の取材で訪れた。西武池袋線武蔵横手駅から五常の滝を見て、物見山、日和田山と縦走をして高麗駅に下山した。奥武蔵らしい心地よい広葉樹と針葉樹の林。山上の畑と民家、たおやかな尾根道、ちょっとした岩場。石塔の立つ山頂は思ったより見晴らしがないな…と思いながら下山を始めてすぐ、金刀比羅(ことひら)神社の前でいきなり眺望がひらけて驚いた。

 すぐ下に円形の平地が目に入る。高麗川の蛇行によって作られた地形、巾着田(きんちゃくだ)だ。話に聞いたことはあるが、本当にまんまる、巾着の形だ。天気がよく、周りの山々も見渡せた。右手にうっすら連なっていたのは奥多摩の山々。標高300メートルちょっとの低山なのに、こんなに景色がよくて気持ちがいいなんて。山の楽しさは「高さ」に限らないのだと実感した。

 日和田山のベストシーズンは秋だと思っている。山麓の巾着田は曼珠沙華(マンジュシャケ=ヒガンバナ)の名所であり、例年の花の見頃は9月半ばから10月初め。開花時期に合わせて曼珠沙華まつりも行われている。残念ながら今年はイベントが行われず、曼珠沙華のお花畑にも出合えない。とはいえ、日和田山から高麗駅への道すがら、曼珠沙華の花をぽつぽつと見ることができる。真っ赤な花火のような花姿はよく目立つ。

 そして日和田山のある埼玉県日高市は栗の名産地でもある。9月半ばから下旬にかけては、道中の無人または有人の直売所で、丸々とした栗をおみやげに買って帰るのが楽しみ。買い求めた栗の重みを感じながら、栗ごはんにしようか、渋皮煮にしてみようかと考えながら帰途に着くのも楽しいのだ。

 ■登山にあたっては、入山可能か(来訪・入山自粛要請が出ていないか)、登山道の状況、バスの運行などを最新のデータでご確認ください。山行中は、歩行時に他の登山者との間隔をあけるなど新型コロナウイルス感染予防を心がけましょう。

 ■日和田山おすすめルート 武蔵横手駅…五常の滝…物見山…日和田山…高麗駅歩行時間 約3時間15分/難易度★★(最高難易度★★★★★)

 ■コースガイド 西武池袋線武蔵横手駅から高麗駅へ、いくつかの山をつないで歩く縦走ルート。登山道はおおむね歩きやすく、心地よい樹林歩き。日和田山の山頂からは岩場の通過がある男坂と、巻き道の女坂に分かれるが、下山に使うなら女坂が歩きやすい。

 ■おすすめシーズン 新緑は5月、紅葉は11月上旬~中旬。曼珠沙華の見頃は9月半ばから10月上旬だが、今年は曼珠沙華まつりは中止。栗の最盛期は9月中旬~下旬。

 ■西野淑子(にしの・としこ) オールラウンドに山を楽しむライター。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド。著書に「東京近郊ゆる登山」(実業之日本社)、「山歩きスタートブック」(技術評論社)など。NHK文化センター「東京近郊ゆる登山講座」講師。

zakzak


  1. 日本、韓国のTPP加入「拒否」へ 「元徴用工」への異常判決に対抗措置
  2. 【年のはじめに】中国共産党をもう助けるな 論説委員長・乾正人