【さらば千葉真一 魅せたサムライ魂】『魔界転生』 見えなくてもリアリティー追求した十兵衛の眼帯 - イザ!

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さらば千葉真一 魅せたサムライ魂

『魔界転生』 見えなくてもリアリティー追求した十兵衛の眼帯

 千葉真一が本格時代劇デビュー作『柳生一族の陰謀』に続いて映画で柳生十兵衛役を演じたのが『魔界転生』だ。

 島原の乱で蜂起した2万の民は幕府軍に虐殺され、若きリーダー天草四郎時貞(沢田研二)の首もさらされた。徳川政権に深い恨みを抱いた四郎は清らかな教えを捨てて悪魔の力を借りてよみがえり、魔界で細川ガラシャ(佳那晃子)、伊賀の霧丸(真田広之)、宮本武蔵(緒形拳)らの霊を呼び出し、肉体を復活させる。やがて四郎はガラシャがとりついた女を大奥に送りこみ、色香で将軍家綱を操り始めた。

 一方、諸国武者修行を続ける剣豪・柳生十兵衛(千葉真一)は、奇怪な出来事を魔人の仕業とみて、戦いを続ける。

 山田風太郎の伝奇小説を深作欣二監督がダイナミックに演出した。不気味な稲光、積みあがる魔界の死骸、「呪いの闇に巣食う者よ!!」と呪文を叫ぶ金色の目をした四郎。怪奇ムード満点だ。顔が真っ青な武蔵が、舟の長い櫂(かい)を持ち出し、砂浜を疾走する対決は「巌流島の戦い」そっくり。そしてクライマックス。

 十兵衛は魔界から転生した父、柳生但馬守(若山富三郎)と向き合い、「お相手仕る」と炎の中で死闘を繰り広げる。名優たちが魔界の者の役だからこそできるこってり不気味メークと自由奔放な演技を楽しんでいるようにも見えてくる。

 当たり役だけに、千葉十兵衛にはいろいろ伝説があるが、私がご本人に聞いて驚いたのは十兵衛のシンボルともいえるアイパッチのこと。隻眼のアクションは相手との距離感がつかめず難しい。殺陣で互いにケガなどしないように、普通は見えるように真ん中を少しだけ開けたり、網目にしたりするが、千葉十兵衛はあえて完全にふさいでリアル感を出すことも多かった。殺陣に自信がなければできないことだ。

 千葉作品のファンで家族ぐるみの交流もあったサミュエル・L・ジャクソンが映画『アベンジャーズ』で演じた国際平和維持組織長官、ニック・フューリーの黒いアイパッチは、十兵衛を意識したのではと騒がれたこともある。

 ちなみに2005年、NHK金曜時代劇『柳生十兵衛七番勝負』第5話に宮本武蔵役で出演した千葉さんは十兵衛(村上弘明)と激突。『魔界転生』とは役が入れ替わって戦うという珍しい例になった。もちろんご本人は十兵衛の敵役も大いに楽しんだという。

 ■魔界転生 1981年6月6日公開。深作欣二監督。同年には千葉十兵衛、天草四郎に志穂美悦子で舞台化。その後もたびたび上演されている。2003年にも窪塚洋介(天草四郎)、佐藤浩市(柳生十兵衛)で再映画化。

zakzak

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