テドロス氏「反中」へ“寝返った”!? WHO「親中」から一転…コロナ「武漢研究所漏洩説」を否定せず、起源調査で米と蜜月 医師・村中璃子氏緊急寄稿 - イザ!

メインコンテンツ

テドロス氏「反中」へ“寝返った”!? WHO「親中」から一転…コロナ「武漢研究所漏洩説」を否定せず、起源調査で米と蜜月 医師・村中璃子氏緊急寄稿

テドロス事務局長(ロイター=共同)
テドロス事務局長(ロイター=共同)

 新型コロナウイルスの起源をめぐる米国の調査報告書は、確定的な結論を導けないとした一方、バイデン米大統領は中国の「隠蔽」を批判した。中国をじわじわと締め上げる手法の裏には、これまで親中だった世界保健機関(WHO)が米国側に「寝返った」構図が浮かぶ。独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員で医師の村中璃子氏が緊急寄稿で解き明かす。

 8月27日、バイデン大統領が90日間を期限に米諜報機関に指示した調査報告書の概要が公表された。確たる結論には至らなかったものの、中国が生物兵器を開発していた可能性には否定的で、諜報機関のうち4つと国家情報会議が「自然変異説」を支持した一方、武漢ウイルス研究所に起源を求める「研究所漏洩(ろうえい)説」を支持したのは1つだけ、判断を保留した機関が3つだった。

 新しいファクトのないままに5月頃から過熱していた米メディアの「研究所漏洩説キャンペーン」に、これでいったんの終止符が打たれることが予想される。

 世界保健機関(WHO)が研究所漏洩説も含めて再調査を行うべきだとの声は、6月12日のG7サミット(先進7カ国首脳会議)でも上がっていた。その声を受けてか、同月28日、中国共産党機関紙、人民日報系の「環球時報」は社説「容疑者その1:なぜ新型コロナウイルスの起源を見つけるためフォート・デトリックの研究所を調査しなければならないのか?」を掲載した。新型コロナウイルスは、第二次大戦前から生物兵器を開発していたことで知られる米メリーランド州フォート・デトリックにある米陸軍感染症医学研究所のBSL4ラボから漏洩した可能性があり、こちらを調査せよという論説である。

 その後も中国は人民日報に社説を19日連続で掲載するなどの執拗(しつよう)さで、「米国が問題を政治化し、中国をスケープゴートにしようとしている」といった米国批判を続けている。

 注目すべきは、この頃から明らかになったWHOの反中親米路線への転換だ。7月15日、テドロス事務局長は記者会見で、武漢ウイルス研究所の詳細調査を含むウイルス起源の再調査が必要との見解を示した。WHOは中国に透明性と協力を、特に流行初期の生データの共有を求め続けてきたと明かし、「わたしもラボ(実験室)で働いた経験があるが、ラボでは事故が起きることもある。見たこともあるし、わたし自身がミスをすることもあった」と個人的な経験も引きながら、研究所漏洩説が否定できないことを強調した。

 これまで、中国との交渉の様子がWHOから公式に発表されたことは、筆者の記憶では一度もない。WHOが公式の報告書で「極めて可能性が低い」と評価した漏洩説を事務局長が公に否定しなかったのも異例だ。少なくとも、これまでのWHOやテドロス氏らしくはない態度と言ってよい。

 英エコノミスト紙も先日、WHOの調査報告書作成の際、テドロス氏が研究所漏洩説を矮小(わいしょう)化することに強く反対していたとの関係者の証言を報じた。

 WHOは政治的であることを免れない組織である。テドロス氏の態度に象徴的な一連の動きは、WHO残留を決めた米国の覇権の復活に伴う、WHOと中国の蜜月の終わりを示すものに他ならない。

 WHOウイルスの起源の調査専門家チームのメンバーは8月25日に連名で「新型コロナウイルスの起源:カギとなる調査のための窓は閉じかけている」と題したコメンタリーを科学誌ネイチャーに発表。研究所漏洩説を「極めて可能性が低い」とした理由を釈明しながら、残された時間は少ないとして、初期の患者群の検体や疫学データの再解析など自然変異説を前提とした再調査の実施を提案するものである。

 初期の患者群の検体や詳細な疫学データは中国が握っている。WHOと米国が同時に研究所漏洩説を取り下げ、自然変異説を前提に話を進める姿勢を示したのは、中国に情報共有を促すことを目的とした事前の調整があってのことだろう。米国とWHOは確実に距離を縮めている。

 中国は研究所の精査を含む再調査を、到底受け入れられないとして拒絶してきた。研究所漏洩説一本攻めから一転、今回は「大人の姿勢」で譲歩を見せた米国に対しても、「中国に泥を投げつけ責任を負わせようという米国のやり方」などとして相変わらずの反論を始めた。

 野生動物のずさんな取引であれ、研究所からの漏洩であれ、中国は新型コロナウイルスの起源がはっきりすることを恐れている。しかし、世界はこれ以上、中国の厚顔を放置してはならない。窓は閉じかけている。

 ■村中璃子(むらなか・りこ)

 医師、ジャーナリスト。現在、京都大学医学研究科非常勤講師、ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局で、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ対策に携わった経験を持つ。科学誌『ネイチャー』ほか主催のジョン・マドックス賞受賞。近著に『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』(光文社新書)。

zakzak

  1. 巨人・小林“謎の昇格”にナイン「いよいよトレードだ」と惜別 捕手を4人体制とした原監督の真意は
  2. 次の自民党総裁にふさわしいのは誰? 高市前総務相が衝撃の「81%」 菅首相の11・9%を7倍近く引き離す 夕刊フジ・zakzak緊急アンケート
  3. 高市氏の記者会見場で報道関係者怒鳴り声
  4. コロナ、経済対策、外交…新総裁適任は? 識者に聞く
  5. 内田理央のおっぱい写真にファン大興奮「一瞬ビビった」「萌え死んだ」