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日本人よ目を醒ませ 中国共産党が宣伝してきた史観は大ウソ、真相を告発する一冊 評論家石平さん『中国共産党暗黒の百年史』

評論家の石平氏=30日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
評論家の石平氏=30日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

 尖閣、香港、少数民族…もはや、やりたい放題の中国共産党政権に国際社会も打つ手ナシ。ルール無視、傍若無人なやり口のルーツはどこにあるのか? 身をもって中国共産党の恐怖政治を味わった評論家の石平さんが、“誰も書かなかった”真相を告発する。 (文・南勇樹 写真・鴨志田拓海)

 --まさに中国共産党の「暗黒史」。どうしてもこれを書きたかったとか

 「準備に1年以上かけて資料を読み直し、渾身の力をふり絞って書きました。中国ではいま、結党百年や革命史観を賛美する行事やキャンペーンであふれていますが、実際の姿はまったく逆。(19世紀の)アヘン戦争以来、外国列強に侵略され続けた中国を共産革命によって救い、現在の繁栄を築いた…中国共産党が宣伝してきた史観なんて、大ウソ、デタラメもいいところですよ」

 --虐殺につぐ虐殺。権力を握れば私利私欲まっしぐら…いまの中国国民はこうした共産党の歴史をどれほど知っているのか

 「エリートや知識層はかなり知っているでしょう。ただし、身の危険を感じて、それを口にすることはない。一方、農民の多くはいまだに中国共産党の言い分を信じ込んでいる人が多いと思います。インターネットの情報は当局によって厳しく監視されており、たとえば『天安門事件』などというキーワードが検出されたら、たちどころに出所を突き止められてしまう」

 --クリーンなイメージが強かった周恩来元首相の“真の姿”が書かれている

 「周恩来は元々、中国共産党の諜報機関の元締めのようなポストにあり、後に国家主席になった毛沢東の上司でした。2人の地位が逆転してからも毛はずっと周のことを警戒し続け、粛清のチャンスを伺います。なぜ周はその危機を切り抜けられたのか? それは周が、毛や夫人の江青にこびへつらい、林彪など他の政敵粛清の陰謀に加担したからです。周は保身のためなら、自分の養女や側近の部下まで平気で切り捨てる男でした」

 --こんな中国共産党がなぜ国民党との内戦に勝ち得たのか

 「こんな中国共産党だからこそ、でしょう(苦笑)。共産党は諜報工作に極めて長けていた。国民党の中枢にまでスパイを送り込み、内部から崩壊させたのです。ヤクザまがいのならず者を利用して、地主階級を殺し、その土地を農民に与えて歓心を買った。もっともその土地はその後、あっさり取り上げられてしまいましたが…」

 --自身の家族も、文化大革命期に両親が「下放」された

 「当時私は4歳でした。大学の教員だった両親は長く農村へ下放され、辛酸を舐めた。その間、私は祖父に育てられましたが、両親がいない事情は知らなかった。家族がそんなことを口にしたことが当局にバレたらとんでもない目にあうからです。さらに私が中国と決定的に決別することになったのは天安門事件です。中国共産党の人民解放軍は同胞に向けて銃弾を放ち、私の友人も殺されました」

 --日本での認識に違和感を覚えたと

 「いまだにそうなのでしょうが、中国共産党の革命史観なるものをそのまま信じている日本人がどれほど多いことか。目を醒ましてもらいたい意味もあって、この本を書いたのです」

 --100年たって現在の状況はますます悪くなっている

 「毛沢東時代も酷かったが、現在の習近平政権は、周辺の国家にも大きな被害を与えているという点でもっと悪い。ふり返ってみれば、1972年の日中国交正常化は日本にとって何のメリットもなかった。日本政府や日本人は、中国共産党の実態を正確に捉えた上で、対峙する必要がありますね」

 ■『中国共産党暗黒の百年史』飛鳥新社1540円

 1921年7月1日に結党された中国共産党は今年、100年を迎えた。その歩みは、陰謀や裏切り、虐殺、腐敗、凌辱など、極め付きの「悪」に染められた歴史だったといえる。強大な権力を握った幹部らは、手当たり次第、女に手を付け、私腹を肥やし、政敵を排除すること以外に関心を持っていない。それは、これまでクリーンなイメージが強かった周恩来元首相も例外ではなかった…。中国共産党の真の姿をあぶり出した衝撃の1冊。

 ■石平(せきへい)

 1962年中国四川省出身。59歳。北京大学哲学部卒。88年、日本へ留学、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。2002年より評論活動に入り、母国・中国に対する厳しい論調で注目を集める。論壇紙、映像、ネットなど幅広いメディアで活躍中。07年、日本国籍を取得。14年『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP新書)で山本七平賞受賞。

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