【やられの美学 ニッポン悪役列伝】小池朝雄 声優でもインパクト抜群、「木枯し紋次郎」で見事に表現した人間のずるさ - イザ!

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やられの美学 ニッポン悪役列伝

小池朝雄 声優でもインパクト抜群、「木枯し紋次郎」で見事に表現した人間のずるさ

声もシブい俳優だった
声もシブい俳優だった

 小池朝雄の悪役は実に幅広い。『水戸黄門』『暴れん坊将軍』のような勧善懲悪痛快作から、市川雷蔵の『眠狂四郎悪女狩り』のようにシリアスな作品、さらにはファミリー向けの太川陽介主演(!)の『猿飛佐助』で不敵な笑い声を響かせる宿敵、服部半蔵まで多彩な悪を見せた。

 テレビ作品で注目されたのは、1972年、中村敦夫主演の『市川崑劇場 木枯し紋次郎』。その記念すべきシリーズ第1話「川留めの水は濁った」である。

 紋次郎は賭場でいかさまをした若者と彼の姉、壺振りのお勝(小川真由美)を助ける。お勝が自分の姉おみつに似ていたからだった。そのおみつを見殺しにしたのが若者を追う代貸の佐太郎(小池)だと知ったとき、紋次郎は長脇差を抜く。最後まで「殺す気はなかった」と口先で言い訳しながら、スキを見て紋次郎を殺そうとする佐太郎。人間のずるさを見せるのが、実にうまかった。

 マニアックな作品では、『女左膳 濡れ燕片手斬り』(69年)が強烈だ。主役は隻眼隻手の女剣士のおきん(安田道代)。にやりと笑いながら、左手に構えた愛刀「濡れ燕」で敵をたたっ斬り「濡れ燕が血の雨を呼ぶのかい。濡れ燕のおきん、人呼んで、女左膳!!」と名乗るすごい姐さんだ。

 そのすご腕姐さんが、将軍の愛人お袖の方の父親で「若い娘は身の薬じゃ」などという高円大僧正(沢村宗之助)に献上された娘を助けた。そのエロ僧正に取り入り、老中の座を狙うのが、小池演じる南部藩主、青山大膳太夫。この青山大膳こそ、異常な刀マニアで、「濡れ燕」を手に入れるため、家臣だったおきんの両親を惨殺、おきんにも大けがを負わせた張本人であった。

 沢村はじめ、彼の悪事を助ける侍(神田隆)、やくざの親分(小松方正)など悪役大集合というこの映画。その悪の親玉が小池朝雄である。着物もギラギラなら日焼け顔もギラギラ。目の周りには黒いくま。「刀のためなら、家来など虫けらほどにも思ってない」悪殿様は、口をへの字にして、出てくる言葉は「ええい、斬れ!」「斬ってしまえ!」「あの化け物を斬れ!」って、出番が少ないのに出るたびに「斬れ」と叫び続ける。

 『刑事コロンボ』の吹き替えでも知られる渋い低音は、悪でもインパクト抜群なのである。 (時代劇コラムニスト、ペリー荻野)

 ■小池朝雄(こいけ・あさお) 1931年3月18日~85年3月23日、54歳没。50年に文学座付属演劇研究所に入所。声優では洋画でピーター・フォーク、ジーン・ハックマンらを担当した。

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