重症化防止効果は十分も…ワクチンで集団免疫獲得難しく - イザ!

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重症化防止効果は十分も…ワクチンで集団免疫獲得難しく

産経ニュース

新型コロナウイルス感染の第5波で圧倒的な感染力があるインド由来の変異株「デルタ株」が蔓延(まんえん)し、ワクチン接種による集団免疫の獲得が困難との見方が強まっている。接種後の時間経過による免疫低下も指摘され、流行収束までの長期化も指摘される。ただ、ワクチンには個々の重症化を防ぐ効果が十分にあり、当面は医療逼迫(ひっぱく)の改善に向け、接種率の向上と感染者数の削減が一層重要になる。

「ワクチンはかなり有効だが、何でも自由になるということはあり得ない」。3日の政府対策分科会終了後、尾身茂会長はこう指摘。田村憲久厚生労働相も8月、「ワクチンだけで必ずしも現状を克服できるとは考えていない」と述べ、対策の切り札としてきた「ワクチン頼み」からの脱却姿勢を明確にした。

感染症は通常、1人の感染者が平均1人以上にウイルスをうつした場合に拡大し、うつす人数が多いほど流行が加速する。逆に平均1人未満にとどめれば徐々にでも収束に向かう。

集団免疫はワクチン接種によって集団の中で感染する可能性がある人の割合を減らし、未接種の人が一部にいても収束していく状態を作り出すことだ。

昨年の流行当初、新型コロナの従来株は感染予防対策を取らない状態で、1人の感染者が2・5人程度にうつすと考えられていた。このためワクチン接種が人口の6、7割程度進めば集団免疫を獲得できるとの見方があった。ワクチンによる感染予防効果が100%なら、理論上、6割超の接種率で二次感染を1人未満に抑えられる。予防効果が90%程度でも7割の接種で感染は時間をかけつつ抑えられていく。

デルタ株の登場でこの想定は一気に崩れた。感染力が従来株の約2倍との推定が示され、1人が5人にうつす計算になった。さらに1人が8~9人に感染させるという米疾病対策センター(CDC)の内部文書も明らかになった。

デルタ株流行後は、ワクチン接種完了後の「ブレークスルー感染」の確認も相次ぐ。英スコットランドでの調査では、デルタ株に対する感染予防効果は米ファイザー製の2回接種後で79%となり、それ以前に主流だったアルファ株(英国株)の92%を下回った。

デルタ株の感染力が1人が5人にうつす程度の場合、ワクチンの予防効果が80%程度まで低下していると、国民全員が接種してもブレークスルー感染がじわじわと続くことになる。

厚労省専門家組織座長の脇田隆字(たかじ)・国立感染症研究所長は、ワクチンの発症・重症化予防効果は高いとしながら、現状について「6~7割が接種しても集団免疫は難しい。8~9割なら大丈夫かというと分からない」と述べている。

悲観的な見方の背景にはワクチン接種が進む海外での感染拡大がある。国内で2回接種を終えたのは現状で5割弱だが、接種率が約6割のイスラエル、約5割の米国でも感染者は増加の一途をたどる。その中でイスラエルなどは3回目を接種する「ブースター」を開始しており、日本政府もその効果を注視している。

国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「ワクチンは自分自身を守るためでもあり、集団免疫を期待して打たないという選択をすべきではない。感染拡大期には、接種の有無にかかわらず、誰もが感染対策を取ることが重要だ」と指摘する。

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