芸能考察

「ストーンズ伝説」チャーリーは殴っていなかった

産経ニュース

何だかモヤモヤする。8月24日、80歳で亡くなった英バンド、ローリング・ストーンズのドラム奏者、チャーリー・ワッツさんのことだ。

半世紀以上にわたり、ロック界の最前線を疾走し続けてきたストーンズを、時に余裕を見せながらも切れ味鋭いビートで寡黙に支えてきただけあって、世界中のロックファンが哀悼の意を表明。各国の主要メディアも長尺の追悼記事で彼の功績をたたえた。

そんななか、国内外で気になる逸話が紹介されていた。チャーリーさんがバンドの看板スター、ミック・ジャガーさんとけんかをし、彼を殴ったという話だ。

ファンの間では良く知られた〝武勇伝〟なのだが、8月24日付英紙ガーディアン(電子版)がわざわざ<恐らくは出所の怪しい話>と断って紹介するなど、実は真偽のほどは定かではない。

もう少し詳しく説明すると、この騒動、1984年、オランダのアムステルダムのホテルで起きたとされる。

ちょうど、バンドが苦境に立たされた時期だった。キース・リチャーズさん(ギター奏者)は長年苦しんだ違法薬物と手を切ったが、ミックさんと音楽性をめぐり対立。おまけにミックさんはソロ活動をやりたいと言い出し、バンド内の状況はさらに悪化した。

そこで、メンバー間の融和を図るため、アムステルダムでミーティングを開くことに。ミックさんとキースさんの仲は相変わらず険悪だったが、2人でちゃんと話そうということになった。キースさんはミックさんにジャケットを貸した。自分が結婚式の時に着た大切なものだった。

結局、2人は飲んだくれて、午前5時頃、ホテルに戻ったが、酔っぱらったミックさんは「こんな時間にやめておけ」というキースさんの忠告に反し、チャーリーさんの部屋に電話し「俺のドラマーはどこだ!」と尋ねた。ちょっとしたいたずらのつもりだった。

電話に出たチャーリーさんはキレた。ベッドから起き上がり、ひげをそり、オーダーメードのスーツに着替え、2人がいる部屋に乗り込んだ。そしてジャガーさんの襟(えり)をつかみ、顔を殴ってこう言い放った。「俺のことを二度と〝俺のドラマー〟と呼ぶな! お前は俺のシンガーだ!」

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