【令和を変える!関西の発想力】新たな名物グルメで魅力発信、こだわりの「奈良しゅわボール」で日本酒発祥の地をアピール - イザ!

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令和を変える!関西の発想力

新たな名物グルメで魅力発信、こだわりの「奈良しゅわボール」で日本酒発祥の地をアピール

奈良の新しい名物を仕掛ける今西さん(左)
奈良の新しい名物を仕掛ける今西さん(左)

 関西で最も人気のある観光地といえば、誰もが京都と答えるでしょう。では、一番残念なのは…奈良と答える人は少なくありません。京都より古い歴史を誇り、貴重な遺産も豊富なのに「そうだ奈良、行こう」と思った途端、鹿しか思い浮かばなくなるからです。

 特に美味しいグルメの印象がなく、お土産品としてようやく「奈良漬」がイメージできる程度でしょうか。しかし奈良は日本有数の国際観光都市。本当はグルメもお土産もたくさんあるのに、見事に知られていない現実が、なんとも残念でたまりません。

 そんな「残念な奈良」をなんとかしたいと、地元の酒蔵や卸、農家、奈良市観光協会、奈良市飲食店組合などが一丸となって、一大キャンペーンを立ち上げました。なんと、奈良にグルメがないことを逆手にとって「奈良しゅわボール」と称する日本酒ハイボールを、奈良グルメに仕立てようというのです。

 しかし、なぜハイボールなのでしょうか。いくら奈良に名物グルメがないとはいえ、その気で探せば地元ならではの寿司やスイーツなど、奈良を象徴できるものはたくさんありそうです。一連の仕掛け人である卸会社「泉屋」社長の今西栄策さんに理由を聞いてみました。

 すると「奈良が日本酒発祥の地だからです」とキッパリ。そんなスゴイこと、これまた見事に知られていませんが、地元では「奈良酒」と固有名詞がつくほど誇りとされる史実なのです。特に今西さんは、奈良酒こそが奈良の宝と信じていて、およそ10年前から地元の酒蔵とタッグを組んで多くの奈良ブランド酒を仕掛けてきました。そんな努力の賜物が「奈良しゅわボール」というワケです。

 それだけに「奈良しゅわボール」には奈良のこだわりが詰まっています。ベースは奈良酒に限り、奈良の高級苺「古都華」を使った「古都華サイダー」でほんのり甘いハイボールに仕上げることが原則で、飲める店も、奈良市を中心に厳選された飲食店約100店舗からスタート。さらにPRは奈良市の「ならCITYコンシェルジュ」が担うというこだわりぶりです。

 そんな努力が実ったのか、今年「奈良酒」が経済産業省近畿経済産業局の地域ブランド重点支援10品目の1つに選ばれました。「ようやくお国に認められた」と大喜びの今西さんたちは、これを機に「奈良しゅわボール」を大々的にPR-といきたいところですが、これまた残念なことに資金がない、そこでまずは協力者を募ろうとクラウドファンディングに乗り出しました。9月末からCAMPFIRE(キャンプファイヤー)で「残念な奈良」をスローガンに「PRが下手な奈良をなんとかしたい」と出資者を募る予定です。

 今西さんの奈良酒に賭ける信念と、どんなに残念でも諦めない不屈の精神は強すぎて怖いほど。初対面から「ただものではない」とは思っていましたが、実は西郷隆盛と岩崎弥太郎、双方の血を引く子孫だそうです。令和維新は「残念な奈良」の改革でしょうか。おそれいりました。 (隔週水曜日掲載)

 ■殿村美樹(とのむら・みき) 株式会社TMオフィス代表取締役。同志社大学大学院ビジネス研究科「地域ブランド戦略」教員。関西大学社会学部「広報論」講師。「うどん県」や「ひこにゃん」など、地方PRを3000件以上成功させた“ブーム仕掛け人”。

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