【有本香の以読制毒】コロナに効果、ノーベル賞・大村博士の「イベルメクチン」に期待 菅首相は治療薬探しに注力を 北里柴三郎は伝染病に苦しむ日本を救った - イザ!

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有本香の以読制毒

コロナに効果、ノーベル賞・大村博士の「イベルメクチン」に期待 菅首相は治療薬探しに注力を 北里柴三郎は伝染病に苦しむ日本を救った

大村博士が開発した「イベルメクチン」
大村博士が開発した「イベルメクチン」

 1日、2024年から流通される新しい1万円札の印刷が始まった。新1万円札に描かれているのは、明治から昭和にかけて実業家として活躍した「近代日本経済の父」、渋沢栄一である。同時期に流通される予定の5000円札には、津田塾大学の創始者である津田梅子、1000円札には「日本の細菌学の父」、北里柴三郎の肖像画が採用されている。

 3人の偉人のうち、いま筆者が最も関心を寄せる人物は北里である。嘉永5(1853)年、江戸時代の熊本に生まれながら、留学先のドイツで破傷風免疫体を発見。さらに後年、香港でペスト菌を発見するという、ノーベル賞級の大業績を複数残した人物だ。

 実際、ドイツでの研究成果によって、北里は第1回ノーベル生理学医学賞(1901年)の候補となるが、受賞したのは共同研究者のエミール・ベーリングのみであった。現代なら当然、北里も受賞したはずだが、120年前の世界で、極東の小国から来た東洋人は、欧米人と同等に扱われなかったと考えられる。

 とはいえ、北里の優秀さは、欧米の名だたる研究所の知るところとなり、複数の機関から厚遇での誘いを受けた。しかし、その誘いをすべて断り、北里は祖国日本への帰国を決意する。脆弱(ぜいじゃく)な医療体制のもとで、伝染病に苦しむ日本国民と日本を救うための決断だった。

 伝染病とは、いわゆる感染症のうち、人から人へ伝播する疾患を指す。いま私たちが苦しんでいる新型コロナウイルスも、その一つといえよう。100年以上も前、その感染症との闘いに生涯をかけ、世界的な業績を残した日本人がいたことを、私たちはいまこそ正しく振り返るべきである。

 北里の生涯に話を戻すと、日本に帰ってめでたしめでたしとはならなかった。母校の東大を敵に回した北里は、「業界」から締め出しを食ってしまう。その窮地を救ったのが同時代の偉人、福沢諭吉である。福沢の支援を得て設立した伝染病研究所も、のちに東大閥との政争が激化し、失うこととなる。その後、1914年に自らの力で設立したのが、今も東京都港区白金にある「北里研究所」だ。

 先月末、筆者はその北里研究所を訪れた。新型コロナへの効果が期待され、現在、北里研究所が中心となって治験が行われている薬「イベルメクチン」について、同研究所の花木秀明教授を取材するためだ。

 この薬はもともと、同研究所の大村智博士が1979年、土壌から発見したアベルメクチンから創薬した抗寄生虫薬だ。過去30余年で、世界の数億人を救ったこの業績により、大村博士は2015年、ノーベル生理学医学賞を受賞している。副作用のリスクが小さいこともあり、現在インドやアフリカ諸国では医師の処方箋なく買うことができる。

 その同じ薬が昨年来、主に途上国で新型コロナ患者に服用され効果が認められたと報じられている。日本でも最近、複数の開業医がこの薬の承認を求める声を上げているが、一方、これに激しく反対する医師らの声もある。

 医療逼迫(ひっぱく)が連日報じられるいま、人流を抑える感染予防策とワクチン接種に加えて、治療薬が必要なことは誰の目にも明らかだ。特に自宅療養の患者が(点滴筒ではなく)服用でき、重症化を抑える薬の登場が待たれる。その一つとして期待されるイベルメクチンの国内治験の結果も待たれるが、これら既存薬への政治の関心と後押しが、なぜか弱い。

 そんななか、安倍晋三前首相が1日、花木教授と面会したと、花木氏が自身のツイッターで明かした。

 いまさら自民党幹部や閣僚の人事をいじるより、新型コロナの治療薬探しに注力する方が、よほど支持率回復に効果ありではないか。菅義偉首相には謹んでそう申し上げたい。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

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