テキサス州で中絶制限法発効 連邦最高裁が差し止め請求退ける、バイデン氏は非難

産経ニュース
1日、米テキサス州で、人工妊娠中絶を大幅に制限する州法に抗議する女性たち(Jay Janner/Austin American―Statesman提供・AP=共同)
1日、米テキサス州で、人工妊娠中絶を大幅に制限する州法に抗議する女性たち(Jay Janner/Austin American―Statesman提供・AP=共同)

【ワシントン=大内清】米共和党が優勢な南部テキサス州で1日、人工妊娠中絶を大幅に制限する州法が発効した。医療機関などが同法の施行差し止めを請求したが、連邦最高裁は同日夜、5対4で訴えを退けると決定。中絶を合憲化した1973年の最高裁判例を骨抜きにするものだとして、保守層では歓迎の声が、リベラル層では懸念が広がっている。中絶の権利を擁護するバイデン大統領は2日、声明で「憲法上の女性の権利へのかつてない攻撃だ」と非難した。

州法は、妊娠6週前後とされる胎児の心拍確認後の中絶を禁止し、レイプなどによる妊娠にも例外を認めない内容。中絶に協力した医療関係者や家族、友人らを無関係の第三者が提訴するのを認め、勝訴すれば少なくとも1万ドル(約110万円)が受け取れるとした。反対派はこの仕組みを「告発を奨励するものだ」と指弾している。

最高裁決定では保守派の判事5人が、同法の合違憲性についての判断は避けつつ、請求を退ける判断を支持。リベラル派判事3人と保守派のロバーツ長官の4人が反対意見を述べた。最高裁をめぐってはトランプ前大統領が在任中に保守派判事3人を相次いで任命し、定数9人のうち6人が保守派が占めている。

保守層にとり今回の決定はトランプ氏による成果。なおも強い政治的影響力を持つ同氏の求心力が増し、2022年秋の中間選挙に影響する可能性もある。

米国では1973年、「ロー対ウェード」最高裁判決で中絶が合憲とされた。だが、キリスト教福音派をはじめとする保守層を支持基盤とする共和党が優勢な南部諸州などでは中絶禁止を主張する声が強い。テキサス州では知事と上下両院の多数派が共和党だ。

AP通信によると、ほかにも13州で中絶を禁止または制限する州法が成立しているが、いずれも裁判所による差し止めなどで発効はしていない。米メディアは2日、これらの州では今回の最高裁決定を受け、テキサスを「モデル」とした法改正などを検討する動きが活発化していると伝えた。

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