【歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡】ディレクター島田氏と確執の真相 デビュー3年目、作品に不満…“アイドル像から抜け出したい”スター - イザ!

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歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡

ディレクター島田氏と確執の真相 デビュー3年目、作品に不満…“アイドル像から抜け出したい”スター

デビュー当時はかわいらしかった明菜も急速に大人びていく
デビュー当時はかわいらしかった明菜も急速に大人びていく

 前回、この欄でデビュー3年目を迎えた中森明菜について「自我に目覚め、作品や衣装に自身のセンスをし始めた」と記した。そんな中で発売されたのが通算10枚目のシングル『飾りじゃないのよ涙は』だった。

 しかし、この頃の明菜について「制作現場はピリピリ状態だったように記憶しています」と当時を知る音楽関係者は振り返る。デビュー前から明菜の制作現場を仕切ってきたディレクターの島田雄三との関係がこじれ始めていたというのだ。それは「確執に近いものがあった」とも。果たして事実はどうだったのか。

 所属レコード会社だったワーナー・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)で明菜の現場プロモーターだった田中良明(現在は「沢里裕二」の名義で作家活動)は「『十戒(1984)』のあたりからかもしれません。明菜が作品に対して不満を言い始めたことを覚えています」として記憶をたどる。

 「明菜自身は『少女A』からのいわゆる“ツッパリ路線“に対して嫌気がさしていたのでしょう。僕は彼女の現場を担当していたこともあって自然に、そういうことを耳にするようになっていました。もちろん明菜本人から聞いたこともありました。ですが、ある意味、その“ツッパリ路線”も明菜のウリになってきた部分は否めなかったので、当時の僕はその不満にはあいまいにうなずきながら、どちらかというと聞き流していたような気がしますね」

 明菜に限らず、歌手が成長するスピードはスタッフとは10倍違うと田中は言い切る。

 「デビュー3年目とはいえ、すでにトップスターに上り詰めた明菜は、いつの間にか“理想の像“へと驀進(ばくしん)し始めていたんです。ですから、当時、メディアでは必ず比較されていた松田聖子さんが“アイドルを演じる“ことのできるスターだとしたら、明菜は、どちらかといえば“アイドル像から抜け出したい”と思っていたスターだったと、今振り返るとそう感じます」

 そうした上で、担当ディレクターだった島田との「確執」についてはどうだったのか?

 「島田さんのシングルの配球は、当時としてはそれなりに新機軸だったことだけは確かです。もちろん当時、明菜の制作と宣伝を統括していた寺林晁(現エイベックス・エンタテインメント・レーベル事業本部アドバイザー)の考えやアドバイスもあったと思いますが、バラード・パターンとツッパリ・パターンを交互にリリースしていくとか…、アルバムも当時のアイドルとしては珍しいほどのコンセプト・アルバムに仕上がっていました。とはいえ、明菜というのは、今でこそ“花の82年組”といわれますが、普通のレベルのアイドルではなかったというか…、頭1つどころか、2つ、3つ抜け出ていたと思います。そういった意味で、彼女なりの感覚でアーティスティックな作品、衣装を求めるようになっていたのです。ある意味でアバンギャルドな発想だったのだと思います」

 そんな中、「ウリのツボ」を押さえた作品を出したいと考えていた島田と明菜の間に齟齬(そご)が生まれるようになったのではないかという。そこで島田が「切り札」的に出してきたのが、井上陽水が自ら持ち込み、プレゼンしてきた『飾りじゃないのよ涙は』だったのだ。

 当初は、アルバムの収録曲と考えていたが「これまでとは違った中森明菜像を出せると考えたのかもしれない」と田中はいう。

 「島田さんの作品に対する戦略、考え方は間違っていなかったと思います。実際に、あの時点で『飾りじゃないのよ涙は』を出したのはインパクトがあったし成功しました。事実、セールス的にも『十戒(1984)』を超える大ヒットとなりましたからね。確か出荷ベースでは100万枚は超えていたと思います」(田中)

 結果、『飾りじゃないのよ涙は』は、明菜の作品では『セカンド・ラブ』、そして『ミ・アモーレ』に続く3位の売り上げ枚数となったが…。 =敬称略 (芸能ジャーナリスト・渡邉裕二)

 ■中森明菜(なかもり・あきな) 1965年7月13日生まれ、東京都出身。81年、日本テレビ系のオーディション番組『スター誕生!』で合格し、82年5月1日、シングル『スローモーション』でデビュー。『少女A』『禁区』『北ウイング』『飾りじゃないのよ涙は』『DESIRE-情熱-』などヒット曲多数。NHK紅白歌合戦には8回出場。85、86年には2年連続で日本レコード大賞を受賞している。

zakzak

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