球界ここだけの話(2433)

「仲は良い」と言うけれど…智弁学園と智弁和歌山の本当の関係

サンスポ
健闘をたたえ合った智弁和歌山ナイン(左)と智弁学園ナイン
健闘をたたえ合った智弁和歌山ナイン(左)と智弁学園ナイン

「放送席で涙を流すわけにもいかんから、トイレで泣いてきました」

五回終了後のグラウンド整備の時間を利用し、用を足し終えた高嶋仁氏(75)はそう答えた。両校で監督を歴任し、現在は名誉監督。同氏にとって、今夏の甲子園大会での決勝初の「智弁対決」、兄弟校による頂上決戦は長年の夢が実現した瞬間だった。

試合は智弁和歌山が9-2で完勝。高嶋氏は「準決勝を見て、『和歌山はノッてきとるな、奈良はちょっと落ち気味かな』と感じとった。和歌山は初球から甘い球をガンガンいってたけど、智弁学園はものすごく消極的だった。ボールを見て、1ストライクか2ストライクからいこうとするから(安打が)続かない」と振り返った。

近年、両校の野球部員は2年時に合同で修学旅行に出掛け、「仲は良い」と口をそろえる。事実、閉会式後には勝者、敗者の壁を越えて記念撮影。ほほえましい光景であったが、実のところ、両校の関係性はどうなのか。

高嶋氏は「野球部に限れば、ちょっと複雑なところもある」と話す。自身のかつての教え子であり、智弁学園前監督の上村恭生さん(享年46)との思い出話として、「上村監督が地方に練習試合に行ったら、見に来たお客さんから『何や、奈良の方か。和歌山の方とちゃうんか。奈良やったら、帰ろう』と何度も言われたと嘆いとった」という。

また、今夏限りでの勇退を発表した帝京・前田三夫前監督(72)も智弁和歌山と積極的に交流を深めてきた1人で、高嶋氏は「とにかく〝いらち〟(関西地方の方言で気が短いの意)でな。ダブルヘッダーの練習試合でウチが10点ぐらい取ったら、五回ぐらいで『ハイ、1試合目終わり』って。逆に2試合目で向こうが10点取ったら、また途中で『ハイ、3試合目いきましょう』ってな(笑い)」と懐かしそうに笑った。

智弁学園・小坂将商監督(44)も上村前監督同様に、智弁和歌山にある種のコンプレックスを抱いてきた。和歌山県紀の川市出身で、高校進学時には智弁和歌山を希望したが叶わず、智弁学園に入った。

だからこそ「智弁対決」を前に、「和歌山に行きたかったけど、奈良にお世話になった。(監督になった後も)成績も和歌山の方が上なので肩身が狭い思いをした時期もあった。自分にも意地、プライドがありますから」と繰り返した。そして、〝勝軍の将〟となるべく、「ウチの実家は寿司屋だったんですわ。だから、名前の由来も大将の〝将〟に、商売の〝商〟なんです」とも明かした。

1965年創部の智弁学園はまだ夏の栄冠を手にしていない。一方、智弁学園から遅れること14年、1979年創部の智弁和歌山はこれで3度目の夏の甲子園制覇。先を走る〝弟〟の背中を〝兄〟が追う。(東山貴実)

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