夏の甲子園

イチローの言葉支えに鍛錬 智弁和歌山・中西がエースの意地

産経ニュース
【智弁和歌山―近江】完投で勝利し、ガッツポーズする智弁和歌山の中西=8月28日、甲子園(林俊志撮影)
【智弁和歌山―近江】完投で勝利し、ガッツポーズする智弁和歌山の中西=8月28日、甲子園(林俊志撮影)

140キロ台のストレートに変化球を織り交ぜ、大阪桐蔭、神戸国際大付(兵庫)と近畿勢を撃破してきた近江(滋賀)の打線を手玉に取った。28日の準決勝第1試合で、智弁和歌山のエース中西は10三振を奪い1失点完投。それでも「結果は1失点でも、四球や意味のない決め球を明日までに見つめ直したい」と、5-1の完勝でチームを19年ぶりの決勝に導いた快投に浮かれることはなかった。

エースナンバーの意地があった。大会初戦だった3回戦の高松商(香川)戦に先発。八回まで1失点と好投したが、九回に2死から崩れて2点を失い、伊藤のリリーフを仰いだ。中谷監督はこの日も状況によっては継投を考えていたというが「中西が『最後まで行かせろ』と僕を見てきたので任せた」。得意のスライダーに対応されていると感じるとフォークボールを多投。六回以降は1安打と、エースらしい隙のない投球だった。

昨年12月に米大リーグ、マリナーズなどで活躍したイチローさんが指導に訪れた。その際の「ずっと見ているからね」という言葉を「練習でしんどいときに思い出す」という。常に誰かに見られているという思いで、エースとしての意識を高めてきた。

21年ぶりの日本一まであと1勝に迫った。「チーム全員でぶつかっていく」と中西。1997年夏の全国制覇メンバーで、プロを経て母校を率いて大一番に臨む中谷監督は「勝ちと負けでは天国と地獄の差。いい準備をしたい」と気合を入れた。 (鮫島敬三)