【経営者目線】ワタミ「ワクチン接種済バッジ」で接客 12年ぶり「社長復帰」の理由 - イザ!

メインコンテンツ

経営者目線

ワタミ「ワクチン接種済バッジ」で接客 12年ぶり「社長復帰」の理由

明大ラクビー部出身の清水・新副社長(左)とスクラム経営でいく
明大ラクビー部出身の清水・新副社長(左)とスクラム経営でいく

 10月1日付で、ワタミの会長兼社長として、12年ぶりに社長に復帰する構造改革を発表した。変異株が猛威をふるい、コロナは想定より長引いている。経営も緊急事態だ。

 「焼肉の和民」や「ワタミの宅食」など8つの営業系の事業本部長を、実質のCOO(最高執行責任者)と位置づけ、意思決定権を大幅に拡大させスピード経営を実現することが狙いだ。アフターコロナのV字回復において、8つの事業部が8つの夢を追う、強い体質を意識した。

 もう一つの狙いは、ワタミが最重要と位置付ける「人材」への寄り添いだ。居酒屋を中心に店舗休業が続き、多くの社員が不安を抱えている。かなり深刻だ。これまで社長兼COOだった清水邦晃が、代表取締役副社長として、人材の最高責任者に就きフォローにあたる。

 アルバイト出身の彼は、優しさと明るさと経験を持ち合わしている。全従業員の相談相手と、今後の人材育成や労務改革を全面的に託す。

 私は、40代のころには50歳で引退すると言い続けてきた。企業を第2、第3の成長段階に入れ、100年企業の礎を築いてもらいたいと思っていたが、間違いだと気付いた。創業者は生涯創業者であり、ゼロから作った会社を誰よりも理解し、愛している。特にこのコロナ危機においては、いちばん気力のある人が経営を担うべきだ。

 デパ地下や学習塾など、マスクをすることが日常の場所でもクラスターが発生しはじめた。

 こうした中、ワタミは新型コロナワクチンの接種を強く推奨する姿勢を打ち出した。もちろん、個人の権利や事情に配慮して義務や強制はしない。接種者と非接種者の差別の助長にも十分に配慮する。その上で、接種率が上がる秋頃を目途に外食店舗において、ワクチン接種済のバッジをつけて従業員が接客する施策を実施する。接種を希望しない社員には、会社の負担でPCR検査を実施し、それをバッジで表示する。

 ワクチン接種で即安全だと断言するつもりはない。しかし、お客さまから見て「従業員から感染しにくい」という「安心の判断材料のひとつ」にはなる。現実問題として、ワクチン接種者を中心に経済を回すしかない。

 医療関係者からは、このコロナ禍が来年、または3年以上続くという見解も聞く。米国のウォルト・ディズニーでは従業員の「ワクチン義務化」を実施している。一石を投じる発表にさまざまな意見が寄せられたが、本来は国がすべきことだ。飲食店の補償や協力金も財源は税金であり、国民負担として重くのしかかってくる。賛否のある政策ほど、選挙を前に政治家が逃げている。

 私自身、構造改革を前に事業本部長に「おまえに任す」というセリフが増えた。

 それは相手に、信頼と責任があるからだ。果たしてこの国は、政治家に「おまえに任す」というセリフが言えるだろうか。

 (ワタミ代表取締役会長 兼グループCEO・渡邉美樹)

zakzak

  1. 市から突然1300万円請求…なぜ? 年金生活の80代女性に 専門家「今後数年で同様の高額請求を受ける人は増える」
  2. コロナ収束後、「ないままでいい」飲み会 3位「新年会」、2位「会社の定期飲み会」、1位は?
  3. たばこ値上げ、約61%が「禁煙しない」 決意する価格は?
  4. 高市氏の記者会見場で報道関係者怒鳴り声