【がんに克つ!iPSで変わる免疫療法】iPS細胞からNKT細胞を作るのは至難の業だった 千葉大学医学部附属病院の挑戦 - イザ!

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がんに克つ!iPSで変わる免疫療法

iPS細胞からNKT細胞を作るのは至難の業だった 千葉大学医学部附属病院の挑戦

千葉大学医学部附属病院
千葉大学医学部附属病院

 現在、千葉大学医学部附属病院などの研究チームが、頭頸部がんに対する世界初の「iPS-NKT細胞」を用いた免疫細胞療法の治験を行っている。NKT細胞とは、非常に強い抗腫瘍作用を持つ免疫細胞(リンパ球)の一種である。ただし、採血した血液中に見つかるのはごくわずか。その問題を解決したのがiPS細胞の活用だった。

 「私たちは、患者さんから採取したNKT細胞を用いた免疫療法を、2000年代に行いました。しかし、患者さんの免疫力が低下していると、十分なNKT細胞を採取して増殖するのに、時間と手間隙がとてもかかりました。一般的な治療法として普及させるには、より効率的な方法が必要だったのです」

 こう説明するのは、千葉大学大学院医学研究院免疫細胞医学の本橋新一郎教授。長年、免疫細胞治療の研究開発に尽力している。

 「理化学研究所がiPS細胞によるNKT細胞の研究を進めていたので、2013年から臨床応用を目指して共同研究を始めました。しかし、iPS細胞は、簡単に応用できるものではありませんでした」

 iPS細胞、すなわち人工多能性幹細胞は、皮膚や血液などの細胞に4種類の遺伝子を入れて培養すると、さまざまな組織に分化できる多能性幹細胞に変化する。

 他人の細胞から作り出したiPS細胞も、拒絶反応を起こすことなく活用できる技術も開発されつつある。だがiPS細胞からNKT細胞を作成するのは、容易なことではなかった。

 「さまざまな異物に対応するためT細胞が多様な受容体を持っているのに対し、NKT細胞は1種類の受容体が特徴です。たった1種類の受容体を持つNKT細胞だけを、iPS細胞で確実に作る方法が非常に難しく、その確立にとても手間がかかりました」

 別の細胞から作ったiPS細胞でNKT細胞を作成するのは至難の業だった。試行錯誤の結果、NKT細胞からiPS細胞を作り、さらに攻撃性の高いiPS-NKT細胞を作成する技術を確立したという。

 「iPS-NKT細胞を使ったがん免疫療法」の方法については、別項を参照していただきたい。この技術が確立されたことで、ようやく臨床応用への道が開けた。

 「NKT細胞が発見されてから35年。基礎的な研究の積み重ねでiPS細胞を使った新たな治療法が、ようやくスタートラインにつくことができました。安全性と有効性を慎重に確かめながら、さらに発展させたいと思っています」

 NKT細胞もiPS細胞も、基礎的な研究の地道な積み重ねの上で、実用化への道筋がつけられた。その結果が、世界初となる「iPS-NKT細胞」を用いた免疫細胞療法だ。一朝一夕とはいかなかった研究者の苦労が結実された新たな免疫療法は、具体的にがん治療をどのように変えるのか。次回紹介する。 (取材・安達純子)

 ■本橋新一郎(もとはし・しんいちろう) 千葉大学大学院教授(医学研究院免疫細胞医学)。1993年、千葉大学医学部卒。同大大学院医学研究科外科系呼吸機能学修了。同研究院免疫発生学特任助教授、同研究院免疫細胞医学准教授を経て2013年から現職。


 ■iPS-NKT細胞を使ったがん免疫療法とは

 (1)健康な人の血液からNKT細胞を採取する

 (2)NKT細胞を培養した後、iPS細胞に初期化して培養する

 (3)臨床試験に参加が決まったら、(2)からiPS-NKT細胞を作って増やす

 (4)治験を受ける人に投与。頭頸部がんに栄養を運ぶ血管内にiPS-NKT細胞を注射する※千葉大学医学部附属病院の資料から

zakzak

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