【ここまで進んだ最新治療】前立腺肥大を治療「ツリウムレーザー蒸散術」 抗血栓薬服用中でも手術可能 - イザ!

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ここまで進んだ最新治療

前立腺肥大を治療「ツリウムレーザー蒸散術」 抗血栓薬服用中でも手術可能

ツリウムレーザー前立腺蒸散術(ThuVAP)の様子
ツリウムレーザー前立腺蒸散術(ThuVAP)の様子

 男性の尿道を取り囲むように存在する前立腺が、加齢とともに肥大する「前立腺肥大症」。尿道が圧迫されるので、「尿が出にくい」「尿の勢いが弱い」「頻尿」「残尿感」などの症状が現れる。

 治療は、まず薬物療法(内服薬)が行われるが、症状が十分に改善しない場合や、薬を飲み続けたくない場合には手術の適応になる。手術は、尿道から内視鏡を挿入して電気メスで肥大した組織を削る方法(TUR-P)が古くから行われてきたが、近年はレーザーの熱で組織を気化して消失(蒸散)させる内視鏡手術が普及している。

 このレーザー蒸散術には、グリーンライトレーザーを使う「PVP」や半導体レーザーを使う「CVP」などがあるが、中でも最新なのが「ツリウムレーザー前立腺蒸散術(ThuVAP)」。昨年5月から、この手術を開始した成田富里徳州会病院(千葉県)・泌尿器科の荻島達也主任部長が説明する。

 「いまでもゴールドスタンダードの術式はTUR-Pですが、欠点は出血が多いことです。そのため血液をサラサラにする抗血栓薬を服用している患者さんでは、休薬する必要があります。一方、レーザー蒸散術の最大の特徴は出血が非常に少ないことなので、抗血栓薬療法中の患者さんでも手術が可能です。そして、レーザーの種類の中でも、現時点で最も蒸散力が強く、前立腺組織への深達度が浅いのがツリウムレーザーです」

 ツリウムレーザーの特徴は、水分子(すべての生体組織に存在する)に対する吸収率が高いため安全性が高く、蒸散効率が手術の始めから最後まで落ちることなく一定に保たれること。組織への深達度は0・1~0・2ミリと限定的で、術後の浮腫(ふしゅ=むくみ)が少ないので、痛みも少なく回復が早い。

 ツリウムレーザー装置は最大出力200Wと高出力なので、かなり大きな前立腺でもしっかりと蒸散できるという。手術は全身麻酔もしくは半身麻酔で行われる。所要時間は前立腺の肥大の大きさによって差があり、1~2時間半だ。

 「どの手術でも術後数日間は尿道カテーテル(尿を排出させる管)を留置する必要がありますが、ThuVAPは回復が早いので、より短期間で尿道カテーテルを抜くことができます。標準的なスケジュールでは入院期間は、手術の前日入院で4~5日です」

 レーザー蒸散術では尿失禁の合併症が起こることはほとんどなく、ThuVAPで最も改善が期待できるのは「尿の出が良くなること」だという。

 ちなみに欧米では前立腺肥大症のレーザー手術は、ほとんどが蒸散術で行われている。ThuVAPは2017年の欧州泌尿器科ガイドラインでは、すでに推奨グレードAに認められている。 (新井貴)

zakzak

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