【桂春蝶の蝶々発止。】戦時中の特攻作戦と不気味に重なるコロナ禍…犠牲者増やす止まれない政治 - イザ!

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桂春蝶の蝶々発止。

戦時中の特攻作戦と不気味に重なるコロナ禍…犠牲者増やす止まれない政治

特攻隊員の突入シーンを演じる春蝶氏
特攻隊員の突入シーンを演じる春蝶氏

 私は毎年8月、「ニライカナイで逢いましょう~ひめゆり学徒隊秘抄録~」という創作落語の公演をさせてもらっています。舞台は昭和20(1945)年5月の沖縄、3人のひめゆり学徒隊と看護婦長、そして、ある特攻隊員による、沖縄戦にまつわる物語です。

 今年は、お客さまから「いつもと聴いている印象が違った」という感想をいただきました。それは戦争時に起こっていたことと、コロナ禍のいまの時代が不気味なまでに重なったからだと言うのです。

 噺の中で、海軍航空隊飛行長が「特攻作戦の見直し」を上官に具申するシーンがあります。終戦直前の特攻は、練習不足の少年兵まで飛ばせていたため、敵艦にたどり着くことなく撃ち落とされることが多かった。特攻機も時速180キロ程度しか出ない「白菊」という練習機に乗せられる場合があり、米巡洋艦が追いかけて迎撃したとも記録されています。

 飛行長は上官に、こう迫りました。

 「司令長、どうか特攻作戦を見直してください! こんな練習機で特攻を続けても、戦果が上がらぬのは明白です。私たちが求めるのは兵士たちの命の意味です! もしも『白菊』で特攻を続けると言うのなら、司令部全員がそれに乗って出撃してみるといい。私がゼロ戦1機で、白菊を全機、撃ち落としてみせましょう!」

 上申された海軍航空隊鹿屋基地の司令長は、こう返します。

 「やかましい! これはもう『決まっている』ことなのじゃ。決められたことに従うのが、われわれ軍人じゃないんかい! それとな…特攻の真の意味は…貴様らがすべて死んでいくことにあるんじゃ! 兵士が特攻で死ぬ、軍人が命を懸けることで国が一つにまとまる! ワシらが日本人という国民を操ることなんてたやすいことなんや。特攻で死んでいくのを見るやろ…そしたらアホな国民は『ああ…軍人さんがあんなに頑張っとるんじゃから、今はみんなひもじい思いをしても我慢しよう。欲しがりません、勝つまではじゃ』というて、みんなが一つになるんじゃ! 要は思慮の浅い国民どもを結束させるため、お前らの命が必要なんじゃ!」

 私も演じながら背筋がゾッとしました。どこかの団体のトップが本当に考えていそうな思想に思えてくる。

 どんな展開になっても、一度決まったことを覆すことができない空気は、戦時中から変わっていない。日本人は動き出すときは鈍く、一度動き出したら止まれない。いま毎日それを見せつけられている。

 政治とマスコミと世論…コロナ騒動を煽れば煽るほど、二次的な「犠牲者」は増えてゆく。歴史から学べることが一つだけあるなら、人間は歴史から何も学んでいない…。

 私はそんな風にも思えてくるのです。

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

zakzak

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