【新型コロナ感染爆発 自宅で死なないために】最後の頼み「訪問診療」の現実 コロナ患者は望まれないことも 防護具を身につけて訪問しなければならず - イザ!

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新型コロナ感染爆発 自宅で死なないために

最後の頼み「訪問診療」の現実 コロナ患者は望まれないことも 防護具を身につけて訪問しなければならず

自宅療養者の往診にも限界がある(ひなた在宅クリニック山王提供)
自宅療養者の往診にも限界がある(ひなた在宅クリニック山王提供)

 デルタ株の蔓延により医療崩壊寸前となっている現状では、感染・発症したら、まずは自宅療養するほかなくなってしまいました。しかし、容体が急変し、危険な状況になっても、すぐには入院できません。保健所に訴えても、救急車を呼んでも、入院できないケースが増えています。

 入院は、なによりも医師の判断が必要です。患者の訴えだけでは、なかなか入院許可は降りません。そこで、自宅療養で重要なのが、「訪問診療」「訪問看護」です。

 ただし、ここでの大きな問題点は保健所の許可がなければ、公費負担にならないことです。自ら、訪問診療を行っている開業医や訪問看護ステーションに頼んだ場合、自己負担になります。

 訪問診療は、コロナ禍とは関係なく、10年以上前から、厚生労働省の音頭により促進されてきました。高齢化による多死社会になったため、厚労省は「病院死」を減らし「自宅死」を増やす方針に転じたからです。

 しかし、笛吹けど踊らずで、訪問診療は進まず、かかわる医療従事者は圧倒的に足りていません。この状況に、コロナの感染爆発が追い打ちをかけています。

 私は、訪問診療のアドバイザーをしているので、現場のお寒い状況を知っています。1カ所に患者さんが集まっている高齢者施設などに行く場合と違って、個別訪問には限度があります。また、訪問できる地域も限定されます。

 厚労省は、この8月4日から、コロナ患者対応のための訪問看護の診療報酬を改定・実施しました。これまでの診療報酬に加え、1日につき5200円を加算するとしたのです。これまでは、訪問看護で90分を超えた場合に5200円が加算されました。それを、コロナ患者対応については、看護時間に関係なく適用することにしたのです。

 また、「患者や看護者から緊急に往診を求められ、医師がその必要性を認めて往診を行った場合」は、「往診料」や「在宅患者訪問診療料」を算定した日に限り、「救急医療管理加算」として9500円が算定されることになりました。

 しかし、これくらいでは、訪問診療は充実しません。地域の開業医と看護師はいま、ワクチン接種が忙しく、訪問まで手が回りません。また、新たに訪問を行うとしても、これまでコロナ患者を診てきた経験が乏しければ、あまり自宅療養者の助けにはなりません。

 それでも、医師が行けば、たとえば脱水症状を起こしていれば、点滴も可能です。看護師の場合は、患者さんの相談にのれますし、必要な解熱剤などのクスリを届けることができます。緊急性が見込まれた場合は、その場で医師に連絡し、オンライン診療ができます。

 一方で、コロナ患者の訪問診療は、望まれないことがあります。それは、「PPE」と呼ばれる防護具を身につけて訪問しなければならないからです。この着脱には、訓練が必要ですが、そうして訪問されるのを、コロナとわかってしまうと、嫌がる自宅療養者が少なからずいるのです。クスリを届けるにも、そっと郵便受けに入れてくるなどの配慮は欠かせません。いったん、自宅療養を指定されたら外出できませんから、1人暮らしの方の場合、クスリや日常品を買い届けることもしています。

 コロナに限らず、訪問診療の必要性は、最悪の場合、看取りができることです。ただし、この場合は、同居する家族がいなければなりません。1人暮らしの濃厚接触者で、コロナ感染認定されないまま孤独死した場合は、警察による検視が行われ「死体検案書」が作成されるなど行政処理が必要になります。

 この場合は、遺族は金銭面も含めて大変なことになります。

 ■富家孝(ふけ・たかし) 医師、ジャーナリスト。1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営、日本女子体育大学助教授、新日本プロレスリングドクターなど経験。「不要なクスリ 無用な手術」(講談社)ほか著書計67冊。

zakzak

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