【朝日新聞研究】フェイクニュースを流しているのは誰か 皇帝ネロと比較する「現代の暴君」にトランプ氏 - イザ!

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フェイクニュースを流しているのは誰か 皇帝ネロと比較する「現代の暴君」にトランプ氏

トランプ氏(共同)
トランプ氏(共同)

 朝日新聞、7月25日のコラム「日曜に想う」は、国末憲人・ヨーロッパ総局長の文章で、第5代ローマ皇帝ネロは、希代の「暴君」であったというのが定説だが、「ところが、そのような評価が近年大きく変わってきた。彼は実は『名君』だったというのである」との説を紹介している。

 その根拠は考古学的な発掘にあった。例えば、近年ローマで発掘された、ネロが築いた「黄金宮殿」が優れたものだったという。「考古学的視点から探る限り、極めて有能な君主だったと考えられます」とは、宮殿の修復を指揮した人物の見解である。

 また、ポンペイの遺跡で発見された落書きに、ネロをたたえる詩編があったことも根拠だ。30歳で自殺したネロは、その4年前にポンペイを訪れ、庶民が壁にたたえる詩編を残した。その約10年後に大噴火の火山灰で埋もれ、現在に伝えられたというのである。

 ネロが暴君にされた理由は、ポピュリストで大衆の支持を得ていたために、支配階級である元老院と対立したからだという。悪評は元老院議員だった歴史家タキトゥスらの著作で伝えられ、さらに後世の小説や映画で暴君像が定着した。

 最近、ロンドンの大英博物館で、特別展が開催されて虚像の修正が図られている。同館の上席学芸員は、ローマの黄金時代とされる「五賢帝時代」も、その基礎はネロの時代に準備されていたと言い、ネロに関する悪評の多くは創作の可能性が高く、「現代のフェイクニュースと同じです」と述べる。

 以上を受けて、国末氏は以下のようにまとめる。

 「つくり話が事実に取って代わり、ネロのイメージを築いたのである」「ならば、同じことが現代でも起こりうるだろう。本物と偽物が入れ替わりフェイクニュースがいつの間にか大手を振る」「うかうかすると、トランプ前米大統領が『名指導者だった』などと位置づけられる日だって、来ないと限らない」

 ネロのイメージが逆転したように、現代のドナルド・トランプ像も逆転するかもしれないというのだが、その可能性はあるだろう。

 それよりもここで、現代における暴君として、トランプ氏を持ち出していることが、実に興味深い。なぜなら、もっとふさわしい中国の習近平国家主席や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と言った人物が立派に存在しているからだ。

 そして結論部分で、報道する人間としての心構えを、国末氏は以下のように述べる。

 「真偽不明の情報が大量に飛び交う時代だけに、実像から大きく外れない姿をいかに後世に伝えるか、文章にかかわる者は心せねばなるまい」「文字を刻む行為は、歴史づくりに参画する営みに他ならない。偽りを大著に記すより、事実を片隅に遺す者でありたい。自戒の念も込めて思う」

 この部分の記述は、実に朝日らしいと言えば、朝日らしい。私から言わせれば、朝日新聞の報道は、まさにこれと正反対のことをやってきた歴史と思えるからだ。特に結語の「自戒の念を込めて思う」は、まことに「秀逸」な言葉である。

 ただし、真剣にそう思っていたら、こんな美辞麗句は出てこないに違いない。

 ■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。1943年、神奈川県生まれ。70年3月、東大大学院人文科学研究科修士課程修了。同年4月、東大史料編纂所に勤務し、「大日本史料」(11編・10編)の編纂に従事する一方、アジアの民族問題などを中心に研究する。2006年3月、定年退職。現在、新聞や月刊誌で記事やコラムを執筆する。著書に『虐日偽善に狂う朝日新聞』(日新報道)など。

zakzak


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