アフガン混乱 米への不満くすぶる欧州

産経ニュース
20日、NATOの臨時外相会議に参加した各国外相を映すスクリーン=ブリュッセル(ロイター)
20日、NATOの臨時外相会議に参加した各国外相を映すスクリーン=ブリュッセル(ロイター)

【ロンドン=板東和正】アフガニスタン情勢の混迷を受け、駐留米軍の撤収を急ぐバイデン米政権への不満が欧州の同盟国でくすぶっている。撤収をめぐる米欧の連携不足も指摘され、同盟重視を掲げるバイデン政権への不信感にもつながりかねない。

北大西洋条約機構(NATO)は20日、アフガンの首都カブール陥落後初めて臨時外相会議を開いて対応を協議。終了後の声明では、今後も連帯してテロと闘う意思を表明するなど、同盟の結束を強調した。

ただ、欧州ではイスラム原理主義勢力タリバンによる実権掌握前から米国の早期撤収への懸念が強まっていた。ウォレス英国防相は13日、米国が撤収方針を決めたタリバンとの合意を「腐敗した取引」と批判。「アフガン政府を弱体化させる」と警告した。

同盟国の間では、20年間取り組んできたアフガンの民主化が失敗したことへの落胆は大きい。中国やロシアといった権威主義国家が政治宣伝に利用していることも踏まえ、ウォレス氏は19日、「欧米の決心が敵国に脆弱(ぜいじゃく)とみなされるのは不愉快だ」と述べた。

英下院では緊急に行われた討議で与野党議員が「米軍撤収は完全な誤り」などと非難。ドイツでも「米国の致命的な判断ミス」(レトゲン下院外交委員長)などの声が上がった。

欧州では混乱によるアフガン難民増加への警戒も強い。2015年にはシリア内戦のため100万人以上の難民が押し寄せた経緯があるだけに、フランスのマクロン大統領は「難民流入から(国を)守らなければならない」と訴えた。

欧州諸国は、「米国第一」主義を掲げ同盟を軽視したトランプ前米政権との関係に苦労した。バイデン政権は欧州との関係修復に努めてきたが、今回の対応を受け、バイデン政権にも「単独主義」(英与党・保守党の幹部)との批判が出ている。

ドイツ・メディアによると、メルケル独首相は与党の内部会合で、米国の撤収方針について「米国の国内政治が理由だ」と述べた。

一方、英メディアによると、米国が4月に完全撤収を宣言した後、英国は駐留継続を呼びかけたが、同盟国の大半が米抜きの駐留に難色を示し、NATO主導の国際部隊も撤収を決めた。NATOのストルテンベルグ事務総長は20日、「米抜きでアフガンに残ることは現実的な選択肢ではなかった」と語った。

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