【朝日新聞研究】「五輪開会式ディレクター解任」の大型記事 日本社会や歴史教育の批判、良心をはき違えた典型的主張 - イザ!

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「五輪開会式ディレクター解任」の大型記事 日本社会や歴史教育の批判、良心をはき違えた典型的主張

 東京五輪の開会式が行われた7月23日の朝日新聞1面トップは、開閉会式のディレクターを務める劇作家、小林賢太郎氏の解任問題であった。同氏が20年以上前のコントで、ナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を揶揄(やゆ)する表現を使っていたというのが理由だという。米国のユダヤ人人権団体の非難声明などを受け、急遽(きゅうきょ)解任に踏み切ったのである。

 朝日新聞は同日2面のほぼ大半を使って、この問題をさらに追及している。その中に囲み記事として「国内識者指摘」の欄があって、高橋哲哉・東京大学名誉教授と、佐藤卓己・京都大学大学院教授が、日本社会や歴史教育を批判するコメントを寄せている。

 ただし、それでもまだ足りないと感じたらしく、7月28日夕刊には、この2人に三島憲一・大阪大学名誉教授と、石田勇治・東京大学大学院教授を加えた4人による、「『人権軽視』日本社会の現状あらわに」と題する、大型記事が掲載された。各氏の意見のサワリを紹介しておこう。

 三島氏は、森喜朗元首相の女性蔑視発言や、開閉会式関係者の辞任・解任トラブルなどは、「差別やいじめなどの基本的人権にかかわる問題であり、いわば起きるべくして起きた」「東京五輪と日本社会全体が抱える『人権軽視』という病理を象徴している」と述べる。

 高橋氏は「人種差別や民族差別が許されないのはすでに国際的合意と言ってよいが、日本ではそうした問題への認識が甘い」とし、それは「歴史教育が現代史をおろそかにして」いるのが背景にあると指摘する。

 石田氏は「日本の歴史教育は、ナチスの行為を知識としては教えても、それが現代世界でどういう意味を持っているかを導くまでに至っていない。ホロコーストは国際法上『犯罪のなかの犯罪』といわれるジェノサイドである。そこに肯定の余地はない」とする。

 佐藤氏は「人種・民族の平等という理念において、ホロコーストは最も敏感に扱わなければいけない出来事だ。これまでスポーツ界はそうしたことに相当気を使ってきたはずで、(今回の出来事は)国際的な感覚の欠如と言うほかない」と指摘する。

 このような意見は、日本という存在を徹底的な批判の対象と捉えて論を展開しているように感じる。まるで日本だけが、歴史教育において間違っているように述べられているが、それは事実とは正反対である。日本くらい、反省を口実として、日本を貶める教育を行っている国はないだろう。

 私には、良心をはき違えた典型的主張であると思う。

 ■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。1943年、神奈川県生まれ。70年3月、東大大学院人文科学研究科修士課程修了。同年4月、東大史料編纂所に勤務し、「大日本史料」(11編・10編)の編纂に従事する一方、アジアの民族問題などを中心に研究する。2006年3月、定年退職。現在、新聞や月刊誌で記事やコラムを執筆する。著書に『虐日偽善に狂う朝日新聞』(日新報道)など。

 

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