【トップ直撃】高性能AIチップで世界へ シニアベンチャーの挑戦 ArchiTek(アーキテック)高田周一・代表取締役 - イザ!

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トップ直撃

高性能AIチップで世界へ シニアベンチャーの挑戦 ArchiTek(アーキテック)高田周一・代表取締役

 大手メーカーのサラリーマンから40代後半で起業した半導体関連のシニアベンチャーが、小型で低消費電力、低価格の自社チップを開発した。IoT(モノのインターネット)機器の内部でデータを扱うエッジAI(人工知能)や画像処理技術に特化し、日本からグローバル市場に挑戦する。 (中田達也)

 --初の自社チップ「AiOnIc(アイオニック)」の特徴は

 「コスト破壊型のチップだと思っています。他社さんのチップが5000円だとすると、われわれは1000円以下の製造費を目指しています」

 --低コストが可能な理由は

 「AIや画像処理に決め打ちで回路化することで、性能は遜色なく、コストは非常に安くなるというわけです。小型で消費電力も小さくなります」

 ■小型×低価格 美しい回路は性能もコストも優れている

 --IoT分野で活用できるそうですね

 「端末で撮影した画像をサーバーに送って処理すると時間がかかり、データの消費量も指数関数的に増えて追いついていません。エッジ(端末)側に分散しておくと、効率が良くなります」

 --どんな製品への搭載が想定されますか

 「監視カメラに搭載する場合、値段が高いチップではカメラ1台当たりの値段も高くなる上、外部から電力を供給しなくてはなりません。ダウンサイジングしたチップなら性能は同等でコストも安い。電力も太陽電池でいいかもしれない。安くて小型化できるのでいろんなところに普及させることが可能です」

 --家庭用では

 「ドアホンとしての利用が考えられますね。玄関先にペタっと貼るだけで宅配便の置き配を見張ってくれます。人間の目で見て怪しいなと思う人物は大体判断できるようにもなると思います」

 --ドローンにも活路があるようですね

 「飛行時間は長く、反応速度は速くできます。農業用の場合、農作物の近くで飛ばすと風で舞ってしまうので、上空高く飛んでも解像度を上げることで栄養不足や農薬散布の必要性などを判断することもできます。ドローンは中国産が多いのですが、国内でもやろうというモチベーションが上がっています」

 --AI家電も

 「おそうじロボットなどにもバッチリですね。もっと賢くなるし、見守りカメラも合体できるかもしれません」

 --IoTで個人のデータを吸い上げたり、監視社会になったりするのではという懸念も

 「われわれは必要なデータだけを記録して処理するので、個人情報につながるデータまで全部吸い上げるのではありません。そういう意味でもアドバンテージを持っていると思います。われわれのチップを使っていただくと、不必要な個人情報を抜かないことを標榜(ひょうぼう)できるというメリットもあります」

 --量産化の想定は

 「来年末には量産できる寸前のところまで進むと考えています。製品についても検討したりパートナーさんと企画したりもいまから始める必要があります。再来年ぐらいからいろんなユーザーさんの目にとまるのではないでしょうか」

 --新規株式公開(IPO)も視野に

 「IPO前提で資金を投入していただいています。IPOなりM&A(合併・買収)なりしないといけないですね」

 --会社の将来像は

 「チップだけ作っても半導体メーカーとしてみると規模が小さいので、最終的にはデータを扱うビジネス、エッジでデータを管理し、ローカルエリアで何かできる時代になるだろうと考えています。2025年の大阪万博を過ぎたあたりかなという気がします」

 --使命感も

 「米国、中国などデータを握る人が世界を握るなかで、われわれはエッジコンピューティングの分野でやっておかないとと思います。こうした取り組みは日本に少ないので、失敗してはまずいだろうなと考えています」

 【ゲーム】学生時代からコンピューターに関心があり、自作ゲームを雑誌に投稿していた。「フライトシミュレーターやビリヤードなどを作っていました」

 【就職】大学院から松下電器産業(現パナソニック)に入社。「コンピューターグラフィックスや、ゲーム機『3DOリアル』の開発などを手がけました。ゲームの回路を携帯電話に載せたり、薄型テレビの『ビエラ』や録画機の『ディーガ』の回路の開発にも取り組みました」

 【独立】退職後の2011年に起業した。「外に出るといろんな交流ができて世界が広がりました。10年たったとは思えず、もっと早く独立すべきだったと思うほどです」と振り返る。

 この10年を支えたのは「楽観主義ですね」。

 【目指す世界】自社で開発した機器のブランド「Gifter(ギフター)」を立ち上げた。

 「安全で安心できるような幸せな社会を作っていく贈り物という意味です。街角のカメラや自動販売機などのデバイスにチップを入れていくことで、車が近づくとアラート(警報)が出たり、自動販売機が声をかけてくれるなど、人間の五感を拡張して社会問題を解決することを目指しています」

 【半導体】世界的な半導体不足が指摘されているが、「いま話題になっているのは工場への投資です。われわれのような回路への投資というのは政府もまだ考えておられないようですが、仕様を決めるところにも投資をしてほしいですね」と話す。

 【座右の銘】《自然は高度に数学的な美しさを持つ》

 「物理学者のポール・ディラックも語っていますが、真理かなと思いますね。きれいなものは自然が採用せざるを得ない。見た目はシンプルでエレガントなものが良いと考えています」

 回路の設計でも「美しさ」と「性能」は共通点が多いという。

 「会社員時代の上司から引き継いできた伝統でもありますが、シンプルで整っている基板や回路は性能もコストもいい。芸術に通じる面もありますね」

 【一人旅】「昔からよくソロキャンプをやっていました。会社員時代は横浜にいたので東北を回ったりしていましたね」

 【健康法】「自転車通勤で10キロぐらい走っています」

 ■高田周一(たかだ・しゅういち)1964年10月生まれ、56歳。大阪市出身。長岡技術科学大大学院修了後、89年松下電器産業(現パナソニック)入社。情報システム研究所配属、R&D部門にてコンピュータアーキテクチャの研究開発、ワークステーション開発のほか、携帯情報機器やAV機器、ゲーム機などの開発を手がける。2010年に退社後、11年ArchiTek創業、代表取締役兼CTO(最高技術責任者)を務める。

zakzak

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