「穏健」強調も…見通せぬタリバン統治体制 内部で路線対立

産経ニュース
16日、アフガニスタン・カブール市内で警察車両に乗り警備に当たるタリバン兵(共同)
16日、アフガニスタン・カブール市内で警察車両に乗り警備に当たるタリバン兵(共同)

【シンガポール=森浩】アフガニスタン全土を支配したイスラム原理主義勢力タリバンは統治体制の構築に向けて動き始めた。人心掌握や国際社会の支持獲得を目指し、女性の権利の尊重など「穏健」な政策を打ち出している。ただ、支配地域では既に人権抑圧の報告も確認され、苛烈な統治復活が予想されている。タリバン内の路線対立もあり、国内統治の行方は未知数だ。

「どう国民に奉仕し、安全を確保できるか試されている」。タリバンのナンバー2のバラダル幹部は16日、首都カブール制圧後、国民に寄り添う趣旨のコメントを発表した。タリバン報道官は「国民の生命や財産は安全だ」と繰り返しており、女性の就学や就労の権利尊重は「われわれの方針だ」とも表明した。16日の地元民放では髪を布で覆った姿ながら女性キャスターが出演する姿が見られた。

2001年に崩壊したタリバン政権はイスラム法の極端な運用によって、犯罪者と見なした住民の公開処刑や女性の権利制限を進めて支持離れを招いた。タリバンがかつてのイメージを変えようとしていることは確実で、米ブルームバーグ通信は「ソフトな手法を取った」と分析した。

ただ、もちろんイスラム原理主義的な姿勢は放棄していない。支配域では女性が戦闘員と強制的に結婚させられる例が報告され、投降した複数の政府軍兵士が処刑されたとの情報もある。「タリバンは国際世論も意識し『危険ではない』と主張しているが国民は真実を見抜いている。大量の出国希望者がその証だ」と地元ジャーナリストは話す。上層部が穏当な路線を目指しても、末端まで徹底されない事態もありうる。

タリバンは内部に穏健派と強硬派を抱え、「外国軍の排除」という目標が達成されつつある中で、沈静していた対立が顕在化する可能性がある。13年にオマル最高指導者が死去した後、内部分裂したこともあり、決して一枚岩ではない。

アフガンでは近くタリバンとガニ政権幹部、国内有力者らによる新体制の協議が始まる見通しだ。タリバン幹部は16日、「全駐留外国軍の撤退を望む」と述べ、米軍などの撤収が最優先との意向も示している。

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