終点のない〝路線愛〟 水郡線応援画家

産経ニュース
「水郡線応援画家」の佐々木麻里さん(芹沢伸生撮影)
「水郡線応援画家」の佐々木麻里さん(芹沢伸生撮影)

福島 佐々木麻里さん(28)

自らを「水郡線応援画家」と名乗る。描き続けているのはJR水郡線の列車が走る駅舎や沿線の風景。地道な創作活動が鉄道関係者らから注目を集め、開催した個展は9回を数える。

水郡線は茨城、福島両県を結ぶ総延長147キロの路線。水戸駅(水戸市)と安積永盛駅(福島県郡山市)間137・5キロ(列車は郡山駅まで直通)と、上菅谷駅(茨城県那珂市)で分岐し常陸太田駅(同県常陸太田市)まで9・5キロを結ぶ路線からなる。

生まれ育ちは福島県石川町。自宅は水郡線の磐城石川駅(同町)の近く。「水郡線は物心ついたときから身近にあったが、特に好きではなかった」という。

水郡線を描くきっかけは平成26年2月、大雪の日の出来事だった。「郡山駅に向かう途中、乗っていた列車が無人の谷田川駅(郡山市)で立ち往生した。車内に約7時間閉じ込められたが、この時の乗務員の懸命な姿に心を打たれた」

「あの人たちを応援したい」。特技を通じエールを送ろうと考えた。当時は専門学校を卒業し漫画家を目指していた。描いたのは大雪で奮闘する若い車掌の短編漫画。ところが「出版社に持ち込んだらコテンパン…。自信をなくした」。

しかし、シャープペンシルで駅を描くことで新たな世界が開けた。「細かいタッチで小さな部分も描けるのが楽しかった」。以来、沿線の駅に通う日々が続いた。「隅々まで見て構図を考えた。郡山駅前の作品は1カ月かかった」。2年2カ月かけ水郡線の列車が走る全46駅を描いた。細部にこだわった作品は、思わず目を近付けて何が描かれているのか確認したくなる面白さがある。

熱心な活動や作品は、JR関係者らに知られるようになった。水郡線は一昨年秋の台風19号で鉄橋が流失し、一部で運休が続いていた。今年3月に全線で運転を再開するにあたり、列車のヘッドマークや車両のラッピングのデザインを依頼された。

今は沿線風景を手掛ける日々。水郡線の魅力を「山肌をぬうように走りながら人の暮らしも見えるところ」といい「車窓から気になる風景を見つけ、駅から2時間半歩いてポイントを探したこともある」という。

「これからも水郡線一本。見た人が『行ってみたいな』と思うような四季折々の風景を描き、それが地域活性化につながればうれしい」と目を輝かせる。〝水郡線愛〟に終点はない。(芹沢伸生)

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