コロナ「5類」格下げに賛否 結核相当から季節性インフルへ 感染症疫学・木村氏「医療逼迫の回避に」 災害感染症学・児玉教授「医療費3割負担に」 - イザ!

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コロナ「5類」格下げに賛否 結核相当から季節性インフルへ 感染症疫学・木村氏「医療逼迫の回避に」 災害感染症学・児玉教授「医療費3割負担に」

 新型コロナウイルス感染による重症者や自宅療養者が増えるなか、感染症法上の扱いを見直す議論が浮上している。結核やSARS(重症急性呼吸器症候群)以上の厳格な措置が医療逼迫(ひっぱく)の一因になっているとして「格下げ」を求める声が出ているが、季節性インフルエンザ並みの「5類」にした場合のデメリットもあるとして、専門家の賛否も分かれている。

 15日の全国の重症者は1563人と3日連続で過去最多を更新。東京都の新規感染者は4295人と日曜日としては過去最多で、重症者も251人と最多。自宅療養者は2万1256人だった。

 感染症法では、危険度の高い順に1類~5類、「新型インフルエンザ等」の6段階に分類しており、最も高い1類にはエボラ出血熱やペストなど、2類には結核やSARSなどが区分される。

 新型コロナは「新型インフル等」に分類されているが、自治体や医療機関は、結核などの2類相当あるいはそれ以上の厳格な対応をしている。

 軽度な症状でも患者の入院勧告ができるほか、医療費の公費負担、就業制限、濃厚接触者や感染経路の調査などが必要とされる。この分類が見直され、季節性インフルエンザと同様の5類となった場合、こうした入院勧告や就業制限などは不要になる。

 元厚労省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)は「病棟の隔離や陰圧室など特別な設備の必要に迫られず、一般病棟でも柔軟に対応できるようになるため病床を確保しやすくなる。医療従事者も患者対応時の重装備や、対応後の医療者自身の体調管理の期間も必要なくなる」とメリットを挙げる。

 保健所業務の逼迫を受け、都は10日付で、濃厚接触者や感染経路を調べる「積極的疫学調査」の規模を縮小する方針を各保健所に通知した。

 5類への引き下げが実現した場合の対応について木村氏は「インフルエンザ程度の感染症として扱い、転床や転院が可能になれば、医療逼迫の事態も避けられるだろう」と指摘した。

 一方、東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「5類になった場合、濃厚接触者の追跡や行政の負担は減るが、医療としては自宅待機の法的根拠が与えられるにすぎない。他の疾患の患者と同時に診療や入院が可能になることで、院内感染によってかえって医療逼迫につながる懸念もある」と語る。

 現状での分類見直しはほかにもデメリットがあるという。児玉氏は「新型コロナ患者の医療費は現在無料だが、5類では原則3割負担になる。ワクチン接種を望まない人もいる中、死者が季節性インフルエンザの水準まで減ったり、市販を含めて治療薬が普及するまでは、5類にする運用は難しいのではないか」との見方を示した。

zakzak

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