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パリ五輪へ、服部思いをつなげる完走

産経ニュース
東京五輪男子マラソンのゴール直前で脚を押さえ、立ち止まる服部勇馬=札幌市
東京五輪男子マラソンのゴール直前で脚を押さえ、立ち止まる服部勇馬=札幌市

東京五輪の男子マラソン(8日)で忘れられない場面があった。優勝のエリウド・キプチョゲ(ケニア)がゴールして約20分後、ふらふらになりながら、ゴール地点に向かう選手がいた。服部勇馬(トヨタ自動車)だった。足が痙攣している様子で、何度も立ち止まった。2時間30分8秒の73位でゴールした後は車いすで医務室に運ばれた。重い熱中症だったという。

気温26度、湿度80%という蒸し暑さの中、出場106人のうち、30人が途中棄権する過酷なレースになった。20キロ付近で先頭集団から遅れた服部も「何度も棄権が頭をよぎった」と振り返る。それでも、「これまで戦ってきたライバルたちの思いを踏みにじるようなことは、絶対にしたくないと思った」。コメントには日本代表としての覚悟がにじんでいた。

2019年9月、代表選考会の「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で2位に入り、服部は代表切符をつかんだ。その後はアキレス腱(けん)などの故障の連続で、五輪が約2年ぶりのマラソンだった。もちろん、1年延期がなければ結果は大きく違っていただろう。

ただ、今となってはそれは言い訳にはできない。24年パリ五輪に向け「この悔しい経験を忘れず、精進していきたい」と誓った。棄権を選択しなかったことに意味がある。3年後につながる完走だったと信じたい。(丸山和郎)

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