アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンは12日、東部ガズニ州の州都ガズニを制圧したと宣言した。タリバンの州都制圧は7日連続で、国内全34州中、10カ所を支配下に置いた。東部の州都陥落は初めてで、駐留米軍撤収が8月末に迫る中、攻勢は全土に及んでいる。
タリバンの報道担当者はツイッターに「ガズニの警察署や刑務所を占拠し、(政府軍の)多数の武器を回収した」と投稿した。ガズニは首都カブールと南部の大都市カンダハルを結ぶ幹線道路上に位置し、制圧で往来が困難さを増した。
タリバンは北部を中心に州都を押さえ、カンダハルや西部ヘラートなど都市部でも政府軍との攻防が激しさを増している。タリバンは11日、カンダハル近郊の刑務所を占領した。各地で刑務所を集中的に攻撃しており、収監中のタリバン構成員を解放し、戦力として組み入れる動きを進めている。(シンガポール 森浩)