通崎好みつれづれ

夏休みの漢字ミュージアム

産経ニュース
漢字ミュージアム玄関に飾られた、2020年「今年の漢字®」の「密」
漢字ミュージアム玄関に飾られた、2020年「今年の漢字®」の「密」

企画展『なやみ深き漢字学習展-戦後から現代へ-』のポスターに惹かれ、漢字ミュージアム(京都市東山区)に出かけてみた。

玄関では、縦150センチ、横130センチの黒谷和紙に清水寺で揮毫(きごう)された「今年の漢字®」の大書「密」が出迎えてくれる。ざっと1階を見て、2階へ上がろうとエレベーターに乗ると、ボタンは「壱」「弐」と漢字になっており、気分が盛り上がる。

漢字ミュージアムのエレベーターボタン。階数が漢字で表記されている
漢字ミュージアムのエレベーターボタン。階数が漢字で表記されている

2階では、回ってくる寿司を取ると、そのネタになっている魚の漢字クイズがスタートする「漢字回転すし」など、クイズやゲーム感覚で漢字を学ぶコーナーがある。来館者は、子供連れの家族から、若い人たちのグループまで幅広い。

漢字の漢は、漢民族の「漢」。漢民族が話す「漢語」を表すための文字を「漢字」と言うが、日本生まれの漢字「国字」もある。展示パネルを読んでいると、知らなかった知識が増えていく。例えば「働」という国字。古くは「動く」で「はたらく」と読んでいたが、中世になってにんべんが加えられ「うごく」と区別されるようになったそうだ。夏休みといえば、旅行の思い出より、絵日記に工作、そしてドリルをこなした「夏休みの宿題」が思い浮かぶ私は、つい「夏休みの自由研究のテーマが見つかりそう」と思ってしまう。

さて、冒頭の戦後の漢字教育史をたどる企画展について。

昭和11年の漢字ドリル「新式書取カード」などの展示も面白く見たが、学習指導要領の変遷も興味深い。平成29年の改訂からは繰り返して学習するということが推奨されなくなったそうだ。文字だけを単独で繰り返すのではなく文章の中で使用することに重点が移ったのだろう。ひたすら「夏」「夏」「夏」とノートに繰り返していた時代が懐かしい。

また、「トメハネハライ」に関する厳しさにも「時代」があるようだ。習ったことと教えることが違うとは、学校の先生とは大変なお仕事だな、などと感心しながら、ミュージアムを後にした。(通崎睦美 木琴奏者)

つうざき・むつみ 昭和42年、京都市生まれ。京都市立芸術大学大学院修了。マリンバとさまざまな楽器、オーケストラとの共演など多様な形態で演奏活動を行う一方、米国でも活躍した木琴奏者、平岡養一との縁をきっかけに木琴の復権に力を注いでいる。執筆活動も手掛け、『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』で第36回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)と第24回吉田秀和賞をダブル受賞。アンティーク着物コレクターとしても知られる。

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