がん電話相談から

膀胱がん手術後の頻尿に悩み

産経ニュース

Q 80代の男性です。平成28年11月に血尿が出たため受診し、同12月に膀胱(ぼうこう)がんと診断されました。これまでに計5回、経尿道的膀胱腫瘍切除(TUR)を受けています。しかし、がんの悪性度や浸潤度(広がりの度合い)についてたずねても教えてもらえませんでした。

A 膀胱がんは腎盂(じんう)がん、尿管がんと同じ尿路上皮がんの一つで、膀胱内壁の上皮から発生します。治療は、がんの悪性度や浸潤度により変わります。具体的には、筋層まで浸潤していない早期のがんか、筋層にまで及んだ浸潤性膀胱がんなのか。がん細胞の組織学的悪性度(グレード)が低い「G1」なのか、より高い「G2」や「G3」なのか。また、がんの発生数が単発か多発かなどの所見によっても変わってきます。

例えば、「Ta/G1/単発」ならTUR後は追加治療なしで経過観察となりますが、T分類が「TisかT1」、もしくはグレードが「G3」もしくは「G2/多発」なら、BCG(ウシ型弱毒結核菌)注入療法などが追加となります。専門家に相談する際には必要な情報ですので、浸潤の有無や悪性度について、次回の受診時に主治医に再度確認してみてください。

Q 29年にBCG注入療法を2サイクル(計16回)受け、現在は頻尿のためベシケアを内服しています。昨年から、1回当たりの尿量が少なくなっていることが気になります。寝ている間は一晩で平均4~5回、トイレに行きます。尿漏れはなく、担当医師に相談したところ「様子を見ましょう」と言われましたが、コントロールする方法はないでしょうか。

A 注入療法で使用するBCGは、マイトマイシンCやアドリアマイシンなどの抗がん剤と比べて有効性は高いのですが、副作用が比較的強いのが欠点です。その一つが頻尿、排尿痛で、原因はBCGにより膀胱炎を起こすためです。

現在、尿のにごりはありますか。また、膀胱鏡検査では100~150ミリリットルの生理食塩水を入れて観察しますが、その間、尿意を我慢することはできますか。

Q 排尿痛や尿のにごりはなく、検査時の尿意は我慢できます。

A その場合、頻尿の要因としては加齢によって膀胱の感覚が敏感になる過活動膀胱の方が強いかもしれません。もちろん、BCGによって生じた間質性膀胱炎による膀胱容量の減少も多少は関与しているかもしれません。

膀胱壁の線維化が進み、萎縮膀胱の状態になると、尿がたまる度に下腹部痛を来したり、腎臓から膀胱への尿流が停滞して腎機能の低下を招いたりします。その場合は膀胱摘除という選択肢も出てきますが、現時点ではその心配は無用です。

Q ベシケアの服用量を増やすと、頻尿の改善に効果はあるのでしょうか。

A ベシケアの服用量を増やすと、のどの渇きや便秘で悩むかもしれません。ベシケアがあまり効かないのであれば、ベオーバという薬に変更してもらうよう、主治医に相談してみてはいかがでしょう。過活動膀胱の治療に有効な薬です。また、夜間の頻尿がつらい場合は、夕食後にトリプタノール(10ミリグラム)を服用するのも一つの方法です。この薬は本来抗うつ薬ですが、夜間頻尿への効果が期待できます。

Q これまでに腫瘍切除の手術を5回受けましたが、手術は複数回受けても問題ありませんか。

A 膀胱壁が薄くなった部位に再発すると、TURの時に膀胱穿孔(穴が開いた状態)を来し、修復手術が必要になることがありますが、注意深い手術操作であれば、通常は問題ありません。

回答は、がん研有明病院顧問(泌尿器科)の福井巌医師が担当しました。

「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は毎週月~木曜日(祝日除く)午前11時~午後3時に受け付けます。電話は03・5531・0110、無料。相談は在宅勤務でカウンセラーが受け付けます。相談内容を医師が検討し、産経紙面やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。個人情報は厳守します。

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