立川志の輔が人間のはかなさ浮かび上がらす「牡丹灯籠」 愛憎劇と復讐劇を複雑に織り込んだ“どろどろ劇” - イザ!

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立川志の輔が人間のはかなさ浮かび上がらす「牡丹灯籠」 愛憎劇と復讐劇を複雑に織り込んだ“どろどろ劇”

圓朝落語を伝える立川志の輔
圓朝落語を伝える立川志の輔

夏といえば怪談物。東京・歌舞伎座の八月花形歌舞伎では今「真景累ヶ淵 豊志賀の死」が上演され、東京・下北沢の本多劇場では落語「牡丹灯籠」が口演されている。

両演目の共通点は江戸末期から明治期に活躍した落語家、三遊亭圓朝がこしらえたということ。130年前の作品が今もエンタメ業界を支えているというありがたさ。時代を超えて、圓朝さまさまである。

8日に千秋楽を迎える「牡丹灯籠」をしゃべっているのは落語家の立川志の輔(67)。「恒例」と枕詞(まくらことば)が付くように、2006年から毎年口演してきたが、昨年はコロナ禍で中止に。

志の輔の落語会は本来、ロビーに一歩足を踏み入れた瞬間から“志の輔ワールド”にどっぷり浸れるさまざまな工夫がされていること。

今回はそれが、ない。手ぬぐいなどの物販も、昔懐かしい屋台のくじ引きのような企画も、プログラムもない。アンケートもロビーの壁に張られたチラシのQRコードを読み込む“スマホアンケート”だ。<page/>

本多劇場に通常置かれている演劇のチラシもない。徹底的に接触が生じない工夫だ。代わりに置かれているのは消毒液のボトル。入場の際も手指だけでなく、靴裏まで消毒する段取り。かくして除菌された身体を劇場に滑り込ませる。

「牡丹灯籠」は圓朝がかつてあった寄席、東京・人形町の末広で、1日2時間ずつ15日間かけて口演したもの。都合30時間という膨大な作品を、2時間40分で伝えてしまうという試みだ。

前半は50分かけて登場人物の相関図を提示。舞台上には大きなボード。人物名が書かれた磁石式の名札を、志の輔の説明とともに貼っていく。説明もテイストは落語。場内には怪談噺の緊張感が張り詰める。人物をインプットされた観客は初見であっても分かる。それが狙いだ。

約10分の仲入りをはさみ、後半はいよいよ落語。映画や歌舞伎、テレビドラマなどで演じられてきた「牡丹灯籠」は美しい男女「お露・新三郎」の怪談ファンタジーだが、実際は愛憎劇と復讐劇を複雑に織り込んだ“どろどろ劇”だ。

金の魔力に取りつかれ、愛欲から抜け出せない人間の善悪の思惑を制御しているつもりが、逆に運命に絡み取られる愚かさ。志の輔は、ぬかるみに足を取られた人間のはかなさを浮かび上がらせた。

zakzak

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