【東京五輪スペシャルトーク】本田大三郎 一糸乱れぬパドリングは世界一 自衛官との混成チーム、男子カヤックフォア500メートル - イザ!

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東京五輪スペシャルトーク

本田大三郎 一糸乱れぬパドリングは世界一 自衛官との混成チーム、男子カヤックフォア500メートル

カヤックフォア代表。左から水本、松下、宮田、藤嶋(共同)
カヤックフォア代表。左から水本、松下、宮田、藤嶋(共同)

 1964年東京五輪にカヌー主将で出場して、2度目の東京五輪がやってきました。再び東京に聖火が灯るのは感慨深いものがあります。86歳になりましたが、現在も地元の神奈川県三浦半島で子供たちのカヌー指導をしています。

 今大会の開会式の日も横須賀の猿島で観光の皆さんとカヌー巡りをしていました。オリンピアンとしては予選落ちで結果を出せなかった私です。ひなびた場所で2度目の東京五輪を迎えるという生き方もいいものだと思えます。富士山がくっきりと見えてすがすがしい朝でした。

 金メダルラッシュの今大会ですが、一番感動したのは柔道の浜田尚里(30)ですね。決して派手ではありませんが、落ち着いた戦いぶりで、寝技で次々と勝ち上がった姿に心を揺さぶられましたね。一流の道を歩んできたというわけではありませんが、ロシア発祥の格闘技サンボを身につけて実力をつけた努力は相当のものだったでしょう。井上康生監督の采配も愛情があふれていて、それが選手たちにつたわっていたと思います。

 日本選手もだいぶ体力的に強くなってはきましたが、まだカヌーのスプリントでは苦戦しています。ただ、今回の男子カヤックフォア500メートル(予選6日、海の森水上競技場)の松下桃太郎(33)、藤嶋大規(33)=ともに自衛隊、水本圭治(33)=チョープロ、宮田悠佑(30)=和歌山県教育センター学びの丘=の4人のスパートには注目していただきたいです。

 言ってみれば、民間の2人が自衛隊に入って自衛官と4人でつくった混成チーム。私の孫のような自衛隊の教官が厳しく指導し、その一糸乱れぬパドリングは間違いなく世界一です。

 190センチ以上の選手をそろえた海外勢のように、日本はパワーだけでは勝負になりません。リーダー格の松下は筋肉の鎧を身にまとっていますが身長168センチ。カヌーに乗るところから降りるところまでピタリと動きを一致させ、無駄なく動く必要があり、この訓練は金メダル級でしょう。

 思い起こされるのは64年東京の開会式での日本選手団の行進です。本番では揃っていましたが、実は練習時点では何回やってもバラバラでした。競技前にナーバスになっている選手たちが行進の練習を嫌がってまじめにやらないのだから当然です。

 「規律の訓練を普段から受けている体育教官と警官の選手たちが軸になるように並べて、他の選手たちの目印にした方がいい」というアイデアが出て、2度目のリハーサル以降は一気にまとまりました。自慢話ではないのですが、これを提案したのは何を隠そう私です。若造で生意気だったので言えたのですが。

 ■本田大三郎(ほんだ・だいさぶろう) 1935年熊本県生まれ。八代高校でハンドボール部主将。卒業後自衛隊に入隊し、自衛隊体育学校でハンドボールやラグビーを指導。64年東京五輪出場のためカヌーに転向し、1000メートルカナディアンペアに出場。ミュンヘン五輪にはコーチで同行。横浜市消防局体育訓練担当課長を経て「マホロバ・ホンダカヌースクール」(神奈川県三浦市)代表。長男のプロレスラー本田多聞も五輪3大会出場。サッカー元日本代表本田圭佑は兄の孫。

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