【国会ここに異議あり】「人民裁判的」な野党合同ヒアリングの愚 国会審議での論戦に全力を挙げるべきだ - イザ!

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国会ここに異議あり

「人民裁判的」な野党合同ヒアリングの愚 国会審議での論戦に全力を挙げるべきだ

「東京オリンピック総点検野党合同チーム」ヒアリングで、関係各省庁の職員(左側)から聞き取りする野党議員ら=7月6日、国会内
「東京オリンピック総点検野党合同チーム」ヒアリングで、関係各省庁の職員(左側)から聞き取りする野党議員ら=7月6日、国会内

 東京五輪の熱戦が続くなか、立憲民主党や共産党などの左派野党は「合同ヒアリング」を開いていた。卓球混合ダブルスで、水谷隼、伊藤美誠両選手が中国ペアを退け、感動の金メダルを獲得した7月26日も、第4回「東京オリンピック総点検野党合同チーム」ヒアリングがあった。

 私は、左派野党が合同で役所の担当者に対して公開質問を行う「合同ヒアリング」に強い疑問を感じている。はっきり言って、不快感と徒労感しか残らない。「公開リンチ」「集団つるし上げ」などの批判があるが、「人民裁判的」と言ったら言い過ぎだろうか。

 まず、質問者の態度である。担当者に問いただすのは良いとしても、気に入らない答えに対し、居丈高に声を荒らげる議員の姿は正視に耐えない。権限のない担当者に、政府見解を超える答えを求める方が土台無理なのだ。それを承知のうえで、「政治的パフォーマンス」として大声を張り上げているとしたら、質が悪い。

 「国政調査権」があるので、担当者が自分たちの質問に答えるのは当然だ、と考えているとすれば、とんだお門違いである。これは国会に与えられた権限であって、一議員や政党に付与されているわけではないからだ。

 政府担当者が議員や政党の会合に資料提供や説明を行っているのは「協力」であって義務ではない。この権限に基づいて説明や資料を求めるのであれば、国会法上の手続きが必要となる。公務員は議員や政党の使用人ではないからである。役人の過重労働の一因にもなっている。

 それに、なぜ公開なのか。メディアにフルオープンし、わざわざ自前で動画を撮影してインターネット放映までしている。

 テレビカメラが入っているから質問者は詰問口調になり、パフォーマンスに走る。一方、政府の担当者も揚げ足をとられないよう公式見解から踏み出さない。徒労感漂う、非生産的なやり取りの原因である。

 私から見れば、国会審議で存在感を出せない左派野党が、国民に何とかアピールしようと合同ヒアリングを考え出したとしか思えない。

 本来、国会で質すべき問題を非公式な会議で、公平な議長や委員長の存在もなく、追及しようとすること自体に無理がある。

 左派野党側は「政府与党が説明責任を果たさないからだ」と反論するだろうが、そこをこじ開けていくのが力の見せどころではないか。その実力・努力不足を棚に上げ、政府担当者に大声を上げるところに不快感を醸し出す最大の要因がある。

 思えば、ひと昔前の野党には多くの質問巧者がいた。大臣や政府がのらりくらりと答弁するのは現在と同じだが、それを独自調査や硬軟さまざまな論理を展開して、こじ開けていくのである。それに比べると現在の左派野党の質問術は感情的、一方的にして拙劣と言わざるを得ない。

 合同ヒアリングで政府担当者をいくらなじってみても、国民は野党に「よくやってくれた」と感謝することはないだろう。それよりも、国会の場で丁々発止の論戦に全力を挙げるべきで、国民もそちらの方を望んでいるのではないか。発想の転換をすべきだ。

 ■伊藤達美(いとう・たつみ) 政治評論家。1952年、秋田県生まれ。講談社などの取材記者を経て、独立。永田町取材三十数年。政界、政治家の表裏に精通する。著作に『東條家の言い分』『検証「国対政治」の功罪』など多数。『東條家の言い分』は、その後の靖国神社公式参拝論争に一石を投じた。

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