6度目の五輪、飛び込み・寺内が見せた「生きざま」

産経ニュース
男子板飛び込み決勝で最後の演技を終え、馬淵崇英コーチと握手を交わす寺内健=3日、東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)
男子板飛び込み決勝で最後の演技を終え、馬淵崇英コーチと握手を交わす寺内健=3日、東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)

夏季競技で日本人最多タイとなる6度目の五輪出場となった寺内健は3日の男子板飛び込みで12位となり、またしてもメダルに届かなかった。それでも最後の演技が終わると拍手が湧き、関係者は総立ちでたたえた。「生きざまを込める」―。こう決意した40歳の夏が終わった。

13年ぶりの決勝の舞台での演技を終えると、プールに向かって深々と一礼。「何もさせてもらえなかった」。悔やむ一方、関係者からの称賛には「感動しかない」と頰を緩めた。

その軌跡は兵庫県宝塚市から始まった。「天才肌ではない。普通の子が、たくさん努力して強くなったの」。JSS宝塚で寺内を指導した馬淵かの子さん(83)は語る。

小5で競泳から飛び込みに転向。後に多くのオリンピアンを育てる馬淵崇英(すうえい)コーチとの二人三脚が始まった。「最初は体も硬かったけど、崇英さんが厳しい練習でぐにゃぐにゃにしちゃった。泣きながら頑張っていた」(かの子さん)。

飛び込みの第一人者となり、周囲はメダルを期待したが、その陰で重圧に苦しんでいた。「五輪でベストの飛び込みができた記憶がない」(寺内)。2004年アテネ、08年北京でメダルを逃すと、「完全燃焼した」と第一線から退いた。

その後はスポーツ用品メーカーに入社し水泳事業の企画や営業に携わったが、かの子さんは「残り火」に気づいていた。「『燃え尽きた』とかいいながら、プールに来て板を踏んでみたり泳いでみたりする。まだ飛びたいんだな、と」。現役に復帰すると、16年のリオデジャネイロ五輪に続いて、自国開催の五輪への切符を手にした。

3日は完敗だった。それでも、「長く挑戦してきてよかった」と胸を張った。レジェンドの生きざまは確かに伝わった。(鈴木俊輔、小川原咲)

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