週に1便都会を走る“激レア”路線バスは何のために? 年1本の「幻の路線」も

SankeiBiz

“免許維持路線”の存在意義

「たとえば急に大きなマンションができて需要が増えるとか、そういう環境の変化もあります。路線を1回廃止してしまうと、再びバスを走らそうとしても道路管理者への照会や警察の許可など手続きが大変なのです。ですから、できる限りは維持しておこうということで走らせています」

水色の川崎市バスが発着する登戸駅前のバス停に停車する黄色にオレンジと赤い帯をまとった神奈中バス。1週間に12分間だけ見ることができる貴重な光景だ=川崎市多摩区(SankeiBiz編集部)
水色の川崎市バスが発着する登戸駅前のバス停に停車する黄色にオレンジと赤い帯をまとった神奈中バス。1週間に12分間だけ見ることができる貴重な光景だ=川崎市多摩区(SankeiBiz編集部)

こう話すのは、東京の城西地域を中心に展開している関東バス運輸部の担当者だ。実は神奈中バスだけでなく、関東バスにも似たような路線はある。こちらは毎日1本。JR中央線の阿佐ヶ谷駅(東京都杉並区)から中村橋(練馬区)を経て阿佐ヶ谷駅に戻る循環系統で、十数年前は毎時1本の頻度で運行していたものの、需要がなく減便。今では早朝6時台に1本だけとなったという。

バス路線の新設にはさまざまな手続きが必要だが、一度廃止してしまうと、路線を復活することは容易ではないらしい。採算を度外視してでも路線を維持する目的でバスを走らせていたのだ。路線バスファンらの間では「免許維持路線」と呼ばれているようだ。

バス路線の開設にはさまざまな手続きが必要で、一度廃止してしまうと、路線を復活することは容易ではない。週に1本のバスの存在意義は大きい=川崎市多摩区(SankeiBiz編集部)

その免許維持路線の最たる例が京都バスの「95系統」。天台三門跡寺院の一つ、三千院がある大原(京都市左京区)から市原、貴船口などを経て、鞍馬に至る路線だ。京の奥座敷の観光に便利そうだが、残念ながら、乗るのは容易ではない。なんと年に1便、しかも片道しか運行されないからだ。運行日は毎年3月の春分の日。もし乗り遅れたら、次のバスは1年後になってしまう。

京都バスの担当者は「バス停をなくしてしまうと、再び設置する際に国土交通省や警察、道路管理者との協議のほかに地元の方の同意も必要です。将来性も考えて(路線を)残しています。実際、そのおかげで復活した路線もあります」と明かす。

それが、大原から貴船口に至る「55系統」という路線。年に1便しか走らない「95系統」の一部区間に当たる。路線を維持していたことが奏功し、2017年3月に観光需要の見込める区間の路線もスムーズに新設できたという。現在は土日のみの運転だが、京都北部にある観光地の周遊性を高めている。利用者が伸び悩んでも、路線を維持させておく意義は大きい。

もっとも、関東バスの担当者は「社内では、免許維持路線とは言いません。ただ『本数が少ないだけの路線』です。そもそも今は免許制でもありません」と指摘する。バス事業はかつて免許制だったが、路線ごとの免許制による参入規制が撤廃され、現在は許可制になっている。免許維持路線というのは「外野の方が使っている」(担当者)俗称のようだ。

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