【東京五輪と日本】宮内庁は大丈夫なのか? タブーであり非常識だった「拝察」発言、不可解な陛下のワクチン接種 - イザ!

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宮内庁は大丈夫なのか? タブーであり非常識だった「拝察」発言、不可解な陛下のワクチン接種

宮内庁(東京都千代田区)
宮内庁(東京都千代田区)

 世界がコロナ禍に巻き込まれる前年(2019年)に令和が始まり、天皇皇后両陛下は国際経験豊かな君主夫妻として称賛を浴びた。安倍晋三首相は大阪G20(20カ国・地域)首脳会合で、世界を代表するリーダーとして評価され、東京五輪・パラリンピックも控え、「日はまた昇る」と世界の日本への期待が膨らんでいた。

 しかし、コロナとの戦いでの心労がたたったのか、安倍氏は病に倒れた。皇室の方々のお姿は見えず、秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまをめぐる厄介な問題が専らの話題である。

 後を継いだ菅義偉首相は、たまたま就任当初、高い支持率を得たが、大衆人気を得るタイプではない。ワクチンをひたすら打ちまくり、マイナンバー制度の充実などデジタル化を進め、地方振興で実効性のある政策を実行するなど、支持率など気にせずに改革断行してほしい。支持率は国民に媚びるより、実績で尻上がりになることを期待すればいい。

 しばしば、「安倍政権は長すぎた」という人がいるが、世界の指導者で7年間は平均的な長さに過ぎない。派閥政治だった中選挙区制の時代を懐かしむ人も多いが、世界では与党内で大統領や首相を引きずり下ろすことはめったになく、現職が政権を去るのは野党に選挙で負けたときか、8~10年くらいたって引退するときだけなのが標準だ。

 「安倍再登板を」という人もいるし、私ももう一度、国を率いてほしいと思う。ただ、1次政権退陣から5年間の充電をしたからこそ、あの大活躍ができたのだし、次回もそうしてほしいと私は思う。

 皇室をめぐっては、宮内庁長官による「(天皇陛下が東京五輪について)ご懸念されていると拝察している」との発言が、都議会議員選挙の直前にあった。選挙の争点であるテーマについて、君主の意向がどんな形でも取り沙汰されること自体、世界中どこの国でもタブーであり非常識だった。

 さらに、不可解だったのは、天皇陛下が7月6日になって1回目のワクチン接種をされたことだ。五輪外交で、海外のVIPに接せられるのだから、陛下への感染を防ぎ、海外要人にうつさないためにも、宮内庁が五輪までに2回目をすませるように計らわなかったのは、不祥事だ。

 NHK大河ドラマ「青天を衝け」で紹介されていた通り、孝明天皇が天然痘で崩御されたとき、明治天皇は種痘をされていて無事だった。あるいは、1964年の東京五輪における皇室外交が、世界へ飛躍する出発点となったのと比べても心構えが違いすぎる。

 その前の不可解で世間常識から外れた「小室文書」擁護発言といい、宮内庁はもう少ししっかりしてほしいものだ。

 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『歴史の定説100の嘘と誤解 世界と日本の常識に挑む』(扶桑社新書)、『日本人のための日中韓興亡史』(さくら舎)、『日本人がコロナ戦争の勝者となる条件』(ワニブックス)など多数。

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