公表のエネ基素案でも踏み込み不足の原子力政策 産業土台むしばむ(2/2ページ) - イザ!

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公表のエネ基素案でも踏み込み不足の原子力政策 産業土台むしばむ

産経ニュース

その一方で、素案で存在感を強めたのは、太陽光発電など再生可能エネルギーだ。素案では電源構成で36~38%と、従来計画より10ポイント以上引き上げた。

12日に経産省の有識者会議が示した「発電別コスト検証結果」で、2030年時点で1キロワット時あたり11円台後半以上の原発に対し、事業用の太陽光発電は8円台前半~11円台後半とコスト優位性が逆転したかに見える。

ただ、この検証は燃料価格見通しや設備稼働状況などに一定の条件を置き、新設する場合として試算しており、既設の発電所のコストではない。加えて、夜に発電しない太陽光などの出力変動に対応した需給バランス維持のためバックアップする火力発電所にかかる費用などは除外されている。会議では委員から再三、検証結果の「独り歩き」への懸念が示されたが、一部メディアがセンセーショナルに報じたことで強く印象付けられた。

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そもそも、太陽光発電については国内で新規に大量導入する余地があるのかという問題や、バイデン米政権が、パネル原料を生産する中国の新疆ウイグル自治区で強制労働があったとして、輸入制限を決めるなど逆風は強まる。しかも検証結果通りコストが低くなっても、果たして消費者のメリットにつながるかは疑わしい。それは再エネ固定価格買い取り制度(FIT)があるからだ。

九電など電力事業者は、他電源に比べ割安な原発の再稼働時に電気料金を値下げした。しかしFITに支えられた再エネのコストが下がっても、利益は再エネ事業者のもので消費者には還元されない。むしろ現状では再エネ導入増でふくらんだFIT賦課金による負担が消費者にのしかかる。導入時、「月にコーヒー1杯程度」とされた賦課金は今や平均的な一般家庭で年間1万円を超える。

日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会九州支部長の林真実氏は「低所得層には負担のみで搾取だけされるようなもの」と強調する。

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温暖化対策として、非化石電源を拡充することの重要性は論を俟たない。素案でも、非化石電源比率を60%程度に大幅に引き上げた。しかし、原子力政策の腰が定まらないまま、再エネにばかり傾斜するのは危うい。

2月、米テキサス州を寒波が襲った。州全域での完全な停電(ブラックアウト)寸前に追い込まれた。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは同16日(電子版)の社説で「州と連邦(政府)のエネルギー政策が市場をゆがめ、電力網の信頼性が損なわれた(結果だ)」とし、その上で「連邦エネルギー規制委員会が信頼性よりも再エネ政策を推進した」として、停電は政治の産物と断じた。

停電理由は複合的で、電源構成をはじめ前提が異なるテキサス州の事例と日本を単純に比較することは適切でない。それでも政治がゆがめたエネルギー政策によって社会経済活動に不可欠な電力の安定供給が損なわれたという指摘は重い。

エネ基は第5次に続き、原子力の位置づけという重い課題を先送りにした。世論の反応をうかがうばかりでは国家百年の計は立て得ない。(中村雅和)

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