公表のエネ基素案でも踏み込み不足の原子力政策 産業土台むしばむ(1/2ページ) - イザ!

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公表のエネ基素案でも踏み込み不足の原子力政策 産業土台むしばむ

産経ニュース
経産省で開かれた「エネルギー基本計画」に関する有識者会議=21日午後
経産省で開かれた「エネルギー基本計画」に関する有識者会議=21日午後

経済産業省が21日公表した第6次エネルギー基本計画(エネ基)素案は、原子力発電所のリプレース(建て替え)や新増設が盛り込まれないなど、またも先送り色が濃いものとなった。政府は、脱炭素社会を実現するため、2030(令和12)年度に温室効果ガスの排出量を13年度に比べて46%削減する野心的な目標を打ち出した。ただ、素案は目標の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示すのに重要な原発の位置づけで踏み込み不足は否めない。

「原子力の重要性をしっかりと位置付け、リプレースや新増設、新型炉・次世代炉の開発など中長期的なビジョンを提示してもらいたい」

電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は16日の定例記者会見で、エネ基について、こう注文をつけた。池辺氏の発言は原発稼働に責任を負う電力事業者として政府に対し、原子力への明確な指針を示す覚悟を求めたものだ。

同様の意見は、原発の立地自治体からも出ていた。

福井県の杉本達治知事は2日、梶山弘志経産相と面会した際、先に40年超運転に同意した関西電力美浜原発(同県美浜町)などに触れ「(原子力政策が)後退していくことがあってはならない」とくぎをさした。

ただ、こうした声は素案に反映されなかった。

確かに電源構成で20~22%とした原発の位置づけは平成30年の第5次エネ基と同じで、その点では後退とはいえない。しかし決して前進でもない。素案は改めて政府の原子力政策についての十年一日ぶりを露呈させた。

× × ×

そうしている間、原子力産業の土台はむしばまれている。

東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故後、原発政策は漂流し、将来が見通せない中で原子力従事者は減少を続けている。日本電機工業会の統計ではピークの平成22年度には約1万3700人を数えたが、令和元年度には約30%減の9976人となっている。

学生の原子力離れも進む。電力事業者やプラントメーカーなど原子力事業者の就職説明会「原子力産業セミナー」に参加した学生は平成22年度に約1900人だったが、23年度以降は20%程度に落ち込んだ。

令和2年度のセミナーは、開催時期の変更などで東京と大阪の2会場で計439人と持ち直しの兆しはあるが、主催の日本原子力産業協会は原子力工学を専攻していない学生の参加者は減少傾向が続いていることに危機感を強める。

原発の維持や運転には原子力以外にも、化学や素材、環境、土木系などを専門に学んだ幅広い人材が欠かせない。しかし、福島事故の衝撃に加え、原発を将来も活用し続けると明確に示さない国のエネルギー政策などにより、原子力工学を専攻した学生を除けば、志望者が先細っているのが現実だ。

同協会担当者は「今は電力会社やプラントメーカーがそれぞれ採用、育成を何とかやっている。しかし技術や人材、サプライチェーンの維持について危機感を持っている。先々を見れば深刻な問題だ」と訴える。

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